水野忠位

水野忠位（みずの ただたか）は、江戸時代前期から中期にかけて活躍した旗本であり、後に大名となった人物です。忠位系水野家の初代として知られています。

生涯

水野忠位は、信濃国と丹波国に合わせて7000石を知行していた大身旗本、水野忠増の長男として生まれました。父である忠増は、松本藩主であった水野忠清の四男にあたります。元禄7年（1694年）、父の隠居に伴い家督を相続し、水野家の当主となりました。

その後、忠位は幕府において側衆を務め、その能力を認められました。正徳元年（1711年）には、大坂定番に任命され、大坂の守備を担う重要な役職に就きます。この際、摂津国（島上郡、島下郡、豊島郡）において5000石の加増を受け、都合1万2000石を領する大名となりました。これにより、忠位は旗本から大名へと身分を昇格させることになります。

しかし、正徳3年（1713年）に忠位は死去しました。彼の死後、水野家の家督相続には困難が生じました。というのも、前年に養子として迎えていた忠房がすでに亡くなっていたためです。そこで、忠位は桑名藩の久松松平家から忠定を婿養子に迎え、後を継がせることとしました。

水野忠位は、旗本から大名へと地位を向上させた人物であり、その生涯は幕府における要職を歴任し、大坂の守備という重要な役割を担ったものでした。彼の死後、養子を迎えて家名を存続させたことは、当時の武家社会における家督相続の難しさを示唆する出来事といえるでしょう。

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