水野忠増

水野忠増（みずの ただます）は、1625年（寛永2年）に生まれ、1694年（元禄7年）に没した江戸時代の旗本です。信濃国松本藩の初代藩主である水野忠清の四男として生まれ、母は側室でした。兄には、松本藩の2代藩主である水野忠職がいます。正室は土屋利直の娘で、幼名は長吉、通称は権兵衛といいました。官位は従五位下周防守です。

1641年（寛永18年）に徳川家綱に小姓として仕え始め、1650年（慶安3年）には西の丸の徒頭に転任し、500俵の廩米を与えられました。この時、儀式の際に布衣（無紋の狩衣）の着用を許されています。1657年（明暦3年）には小姓組番頭となり、従五位下に任官し周防守を名乗るようになりました。1659年（万治2年）には、兄の忠職から5,000石の俵米を分与されましたが、これは幕府の廩米であったため収公され、1664年（寛文4年）に信濃国筑摩郡2200石（5ヶ村）と安曇郡2800石（6ヶ村）に替地となりました。1661年（寛文元年）には書院番頭、1664年（寛文4年）には大番頭に昇進しますが、1671年（寛文11年）9月、黒書院への出御がたびたび遅れる件について改善を促されたにもかかわらず、これを聞き入れず、発言も不遜であるとして大番頭を解任され、閉門を命じられました。しかし、翌1672年（寛文12年）12月には赦免され、寄合に列することになりました。1678年（延宝6年）には大番頭に復帰し、1682年（天和2年）には幕府から丹波国氷上郡に2000石を加増され、知行は7000石となりました。1692年（元禄5年）には奥詰に任ぜられています。

1694年（元禄7年）に江戸で亡くなり、小石川伝通院に葬られました。家督は長男の水野忠位が相続しました。

水野忠増は、徳川幕府の要職を歴任しましたが、その性格からか、度々問題を起こし、一時的に失脚するなど、波乱に満ちた人生を送った人物であったといえるでしょう。

参考文献

「寛政重修諸家譜 巻第331」

関連項目

水野氏

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