水野成言

水野成言の生涯

水野成言（みずの なりのぶ）は、江戸時代前期に生きた旗本であり、備後国福山藩の初代藩主である水野勝成の次男として知られています。彼は慶長8年（1603年）、三河の刈谷藩主の家庭に生まれました。母は青木七之丞の娘で、その家柄は彼の人生に一定の影響を与えました。

初期の経歴

成言は初めて「成忠」という名で呼ばれ、後に成言に改名しています。彼は父である水野勝成から所領を分け与えられ、備後国安那郡にて5000石を領有しました。元和6年（1620年）には、従五位下の位を賜り、紀伊守に就任しました。このように彼は早くから武士としての職務を果たしていました。小姓組番頭や御側衆といった重要な職務も務め、寛永3年には徳川家光の上洛に同行するなど、幕府との関係も緊密でした。

街での事件と蟄居

しかし、彼の人生はすべて順調というわけではありませんでした。寛永9年、彼は池田長幸の宅内で起きた、池田長頼による脇坂安経刺殺事件に同席していました。この現場にいたため、成言は責任を問われ、京都の深草に蟄居することとなりました。この時、彼は剃髪し、「令聲」という号を名乗るようになります。

島原の乱への参戦

興味深いことに、成言は寛永15年（1637年）の島原の乱において、蟄居中にもかかわらず、父や兄とは別に戦いに出ることを決意しました。彼は黒田忠之のもとで戦功を収めることに成功し、これにより彼の名声は大いに高まりました。

晩年と死

成言はその後、天和4年（1684年）に病を患い、京都の本覚寺三源庵にて83歳で亡くなりました。彼には長男・勝興と次男・勝行があり、彼らは宗家の陪臣として仕えることとなりました。

成言の人生は、波乱に満ちたものでしたが、彼の名はその後も歴史に残り、江戸時代の武士たちの中で重要な存在として語り継がれています。

参考文献

1. 寛政重修諸家譜
2. 徳川実紀（紀伊記、紀年録、東武実録）
3. 断家譜
4. 広島県史 近世資料編 1 (広島県 編 広島県, 1973)
5. 橋爪伸子著「島原の乱、福岡藩本陣における藩主の食にみる機能と食文化ー御台所日記をとおしてー」（2013）

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