小姓組

小姓組とは

小姓組（こしょうくみ）は、江戸幕府に設置された特別な職制で、将軍の親衛隊として非常に高い格式を持つ組織です。小姓組は、書院番と共に「両番」と呼ばれる重要な部隊に分類され、江戸幕府の軍事部門においては五番方の一部として位置づけられています。この組織の特長は、大番、小十人、新番以上の地位にあったことで、組織内での出世が比較的容易であった点です。

設立と組織

小姓組は、慶長11年（1606年）、水野忠元、日下部正冬、成瀬正武、大久保教隆、井上正就、板倉重宗の6名の番頭によって設立されました。当初から小姓組は、忠誠を誓う戦闘部隊と位置づけられ、一般的に想像されるような単なる後宮の役割を超えた存在でした。また、設立当初は「花畑番」と呼ばれることもあり、これは勤番所の前に花畑が広がっていたことに由来します。

職務と職場

小姓組の主要な任務は、平時と戦時で異なります。戦時においては、将軍の本陣における騎馬隊の役割を担い、重要な戦術的任務を果たしました。一方、平時には江戸城内で将軍を警護する役割を持っており、当初は本丸御殿黒書院西湖の間で勤務していました。その後、寛永20年（1643年）に新たに設立された新番の影響で、書院番が勤番していた白書院紅葉の間に異動しました。

家格と番士の地位

小姓組の番士になるには、家格や親の役職といった条件が厳しく規定されており、このため番士の地位は他の部隊と比較して高く評価されていました。このような特権的な立場から、小姓組の番士は、幕府内で高い地位に就くことが多くありました。組織は、若年寄が支配しており、番頭は4000石という役高を持ち、総勢6名の番頭と1名の与頭、さらに50名の番士で構成されていました。西の丸にはさらに4名の番士が配置されています。

結論

小姓組は、江戸幕府の中で特に重要な役割を果たしていた組織であり、将軍の親衛隊としての機能を持ちつつ、純粋な戦闘部隊としても活動していました。歴史的な背景から、権威ある位置を確立し、幕府の一翼を担ったこの組織は、今なおその存在意義が評価されています。

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