氷川ダム

氷川ダムについて

氷川ダムは熊本県八代市にある二級河川・氷川本流の上流部に位置する重力式コンクリートダムです。このダムは熊本県が管理しており、高さは56.5メートルで、氷川流域の治水や利水を目的として建設されました。国庫の補助を受けて建設されたこのダムは、氷川総合開発計画の一環として重要な役割を果たしています。

ダムの歴史

氷川流域はこれまで頻繁に洪水に見舞われていましたが、一方で水田や畑地では水不足の問題も抱えており、上水道の普及も遅れていました。このような状況を受けて熊本県は氷川総合開発計画を策定し、流域の災害対策や周辺自治体の上水道整備を進めることとなりました。その中で氷川ダムは中心的な存在となり、1976年には八代海を横断する海底送水管が設置されて市内の上水道への送水が開始されました。なお、計画段階では水力発電の構想もありましたが、実際には1986年に小規模な管理用水力発電所が建設されたのみです。

再開発事業

ダムの機能向上を図るため、1990年から氷川ダム再開発事業が開始され、特に嵩上げ事業に取り組んでいます。これにより、豪雨時の予備放流の解消と冬季の水量確保が目指されています。2001年にはダムコンの更新計画に対応するため、管理棟の改築工事が行われました。これらの工事が完了した暁には、堤高は58.5m、堤頂長は202m、堤体積は113,300m³、総貯水容量は7,100,000m³、有効貯水容量は5,900,000m³となる見込みです。

ダム湖と周辺の環境

氷川ダムによって形成された人造湖は、1987年に公募を経て「肥後平家湖」（ひごへいけこ）と名付けられました。このダム湖は八代農業高校泉分校のカヌー部によって練習の場として使用されています。さらに、水質浄化を目的とした噴水やライトアップ、整備された遊歩道や広場もあり、特に桜の名所として注目されています。

周辺には「物産館ふれあいセンターいずみ」や「八代市立泉第一小学校」もあり、訪れる人々にとって便利なスポットとなっています。また、氷川ダムの管理棟は「くまもとアートポリス」のプロジェクトの一環で設計されており、特徴的な外観を持ち、展望デッキなどの設備も整っています。

交通アクセス

ダムサイトの近くには麻生交通の氷川ダムバス停や産交バスの氷川ダム前バス停があり、八代市中心部や鹿児島本線へのアクセスが可能です。しかし、2009年に熊本バスの「氷川ダム線」は廃止されましたが、麻生交通がその区間を運行しており、利便性が保たれています。

このように氷川ダムは自然環境の保護と地域住民の安全を支える重要な施設であり、周辺の環境も充実しているため、多くの人々が訪れる場所となっています。

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