永井博 (イラストレーター)

永井博：トロピカルな風景を描くイラストレーター

永井博（ながい ひろし）は、1947年12月22日生まれの日本のイラストレーター、グラフィックデザイナーです。徳島県徳島市出身で、1970年からグラフィックデザイナーとして活動を開始しました。

アメリカ旅行とグアム島での出会い

1973年夏にアメリカへ40日間の旅行に出かけたことが、彼の作風に大きな影響を与えました。1974年にはグアム島を訪れ、その風景に深く感銘を受け、後のトロピカルでクリアなイラストレーションの原点となりました。1975年からはイラストレーターの湯村輝彦に師事し、1978年に独立しました。

大瀧詠一との出会いと「A LONG VACATION」

1980年代以降、永井博は、大瀧詠一のアルバム『A LONG VACATION』や『NIAGARA SONG BOOK』などのレコードジャケットを手がけ、その独自のスタイルを確立しました。『A LONG VACATION』のジャケットは、CBSソニーより「アルバムジャケット特別賞」としてゴールドディスクを受賞し、彼の名前を広く知らしめました。

数々のアーティストのジャケットを手がける

大瀧詠一の他にも、サザンオールスターズ、松岡直也、石黒ケイ、藤原ヒロシと川辺ヒロシ、憂歌団、杉山清貴、西城秀樹など、数多くのアーティストのレコードやCDジャケットを手がけました。近年では、AORコンピレーション『breeze』シリーズ、ikkubaruの『Amusement Park』、『brighter』、TEEN RUNNINGSの『NOW』、サニーデイ・サービスの『DANCE TO YOU』などのジャケットアートワークを担当しています。

広告や展覧会での活躍

永井博のイラストは、広告業界でも注目を集めています。Zoffの2016年サングラスキャンペーンや、SUBARU WRX S4のテレビCMにも起用されました。2016年には単独展覧会「Penguin's Vacation Restaurant」を東京と大阪で開催し、2014年には「HIROSHI NAGAI EXHIBITION 永井博アート展」が東急百貨店本店で開催されました。

主な出版物

永井博の作品は、以下の書籍でも見ることができます。

『A LONG VACATION』（CBSソニー出版、1979年）
『HALATION』（CBSソニー出版、1981年）
『NIAGARA SONGBOOK』（小学館、1982年）
『time goes by… 永井博作品集』（ぶんか社、2008年、復刊ドットコム、2017年）

主な作品

永井博が手がけた主な作品は以下の通りです。

ジャケットデザイン

大滝詠一
『A LONG VACATION』（1981年）
「君は天然色」
「恋するカレン」
「さらばシベリア鉄道」
「雨のウェンズデイ」
『NIAGARA SONG BOOK』（1982年）
西城秀樹
「New York Girl」
杉山清貴
『RHYTHM FROM THE OCEAN』（1995年）
サザンオールスターズ
「いなせなロコモーション」
「ジャズマン」
「わすれじのレイド・バック」
ゴスペラッツ
『ゴスペラッツ』（2006年）
ヒダカトオルとフェッドミュージック
『REPLICA』
ジャンク フジヤマ
「あの空の向こうがわへ」
「PROUD/EGAO」
「シェダル」
『JUNK SCAPE』
サニーデイ・サービス
『DANCE TO YOU』
AAA
「No Way Back」
DEEN
「POP IN CITY ～for covers only～」
「TWILIGHT IN CITY ～for lovers only～」
SING LIKE TALKING
『Reveal SING LIKE TALKING on VINYL Vol.1』（2020年）

メインビジュアル

タリオ 復讐代行の2人（2020年、NHK） - 作中に登場するイラストを担当。永井自身もカメオ出演。

広告

ビッグジョン「80年型ロックンロール・ジーンズ」（1980年）
柳屋本店「4711ポーチュガル」（2019年）
宮崎カーフェリー 新造船プロモーション「シンセン!新船!」（2021年）
赤城乳業「フロリダサンデー」（2022年）

永井博の描く世界

永井博の作品は、トロピカルでクリアな色彩、そして静かでどこか懐かしい風景が特徴です。その独特な世界観は、多くの人々の心をとらえ、時代を超えて愛され続けています。

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