永井尚長

永井尚長（ながい なおなが）

永井尚長は、江戸時代前期に丹後国宮津藩（現在の京都府宮津市）を治めた第二代藩主であり、永井家宗家の四代目にあたります。文人藩主として知られていましたが、不慮の事件により27歳という若さで生涯を終えました。

生涯

承応3年（1654年）、初代藩主である永井尚征の三男として誕生しました。兄の尚房が若くして亡くなったため、寛文6年（1666年）に嫡子となりました。延宝元年（1673年）に父が死去したことを受け、延宝2年（1674年）に家督を継承し宮津藩主となります。延宝7年（1679年）には幕府の要職である奏者番に任じられ、幕政にも参与しました。

しかし、延宝8年（1680年）に四代将軍徳川家綱が亡くなると、その葬儀である増上寺での法会において悲劇が起こります。尚長は法会の奉行を務めていましたが、法要中に志摩鳥羽藩主の内藤忠勝によって刺殺されてしまったのです。享年は27歳でした。

『徳川実紀』などの史料によれば、忠勝が狂気によって引き起こした事件とされています。しかし、尚長と忠勝の間に不和があったとする説や、逆に尚長が忠勝に斬りかかり返り討ちにされたとする説も存在し、真相は定かではありません。

嗣子がいなかったため、永井家は改易処分となりました。しかし、後に弟である永井直圓に1万石が与えられ、大和新庄藩主として永井家宗家は再興されました。この再興により、永井家は再び大名としての地位を取り戻したのです。

尚長は学問を好んだことから、文人藩主として知られています。若くして非業の死を遂げたものの、その学識と文化への貢献は後世に語り継がれています。

系譜

父：永井尚征（1614-1673）
母：不詳
正室：青山宗俊の娘

参考文献

浜垣容二「増上寺で殺された文人大名」『大名廃絶読本』、読本シリーズ第3号、新人物往来社、254-257頁、1991年。

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