永井直珍

永井直珍：摂津高槻藩第八代藩主

永井直珍（ながい なおよし）は、寛保2年（1742年）に生まれ、摂津高槻藩の第八代藩主を務めた人物です。

生涯

直珍は、寛保2年（1742年）8月、第六代藩主・永井直期の三男として生を受けました。宝暦8年（1758年）に兄で第七代藩主であった直行が亡くなったため、その跡を継ぎ第八代藩主となりました。宝暦9年（1759年）には豊姫と婚姻しています。しかし、明和7年（1770年）11月17日に29歳という若さでこの世を去り、跡は長男の直進が継ぎました。

正室・豊姫について

直珍の正室である豊姫については、一般的な系図と異なる出自が指摘されています。

公式な記録である『寛政重修諸家譜』などでは、豊姫は膳所藩主・本多康桓の娘とされています。しかし、越後長岡藩牧野氏の家譜を補足する史料『御附録』には、彼女は実際には牧野忠周の長女であり、牧野忠寛の姉であると記されています。さらに、長岡藩主・牧野忠利の未亡人でもあったという複雑な背景を持っています。

豊姫は寛保元年（1741年）3月21日に生まれ、当初は逸姫と名付けられました。寛延3年（1750年）に、ある事情から公式上は本多康桓の娘として、牧野忠利との婚約が成立し、茂姫と改名しました。宝暦5年（1755年）6月に婚礼を挙げましたが、そのわずか1ヶ月後の7月に忠利が急逝し、寡婦となります。その後、宝暦7年（1757年）2月に膳所藩の本多康桓に引き取られ、同年5月に豊姫と改名。2年後の宝暦9年（1759年）に永井直珍に嫁ぎました。

直珍の死後、豊姫は安永5年（1776年）6月29日に亡くなりました。

まとめ

永井直珍は、若くして藩主となり、短い生涯を終えましたが、正室である豊姫の出自を巡る逸話は興味深いものです。豊姫の複雑な生い立ちと、当時の社会情勢を垣間見ることができるでしょう。

参考文献
* 港区済海寺遺跡調査団（団長鈴木公雄）「港区三田済海寺　長岡藩主牧野家墓所発掘調査報告書」（1986年、東京都港区教育委員会）

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