永井直矢

永井直矢は、天保13年（1842年）に豊後杵築藩主である松平親良の次男として生まれました。後に高槻藩の第12代藩主となります。

藩主就任と幕府からの信任

文久元年（1861年）9月25日、先代藩主である永井直輝の隠居により、直矢は家督を相続し高槻藩主となりました。同時に、幕府領3万2300石を預かることとなり、その責任の重さを示しています。同年9月末には京都火消役を命じられ、同年12月16日には従五位下飛騨守に叙任されました。これらのことから、幕府からの信頼が厚かったことがうかがえます。

京都における警備

文久3年（1863年）2月29日、直矢は上洛し、京都の警備に奔走します。同年3月2日には二条城の警備、同年3月30日には京都全体の警備を命じられるなど、その任務は多岐にわたりました。同年7月19日には再び京都火消役を命じられ、同年8月18日には再び二条城の警備を命じられています。これらの出来事から、当時の京都がいかに緊迫した状況にあったかがわかります。

佐幕派としての活動と早世

元治元年（1864年）5月5日、直矢は従五位上に昇進しました。幕末期には佐幕派として、大坂や京都の警備を担当し、幕府を支える役割を果たしました。しかし、慶応元年（1865年）4月17日に死去。享年24という若さでした。跡は養子の直諒が継ぎました。

永井直矢は、若くして藩主となり、激動の幕末期において重要な役割を担いましたが、志半ばで短い生涯を終えました。彼の存在は、幕末の動乱を生き抜いた人々の苦労と、時代の流れの早さを象徴していると言えるでしょう。

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