永原一照

永原一照（ながはら かつあき）の生涯

永原一照は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した武将であり、土佐藩の家老として知られています。彼は滝山一揆の鎮圧に尽力し、善政を施したことで土佐山内氏の基盤を強固にしました。また、板垣退助の先祖にあたることでも有名です。

来歴

永原一照は永禄元年（1558年）、尾張国に生まれました。彼の家系は宇多源氏佐々木氏の支流に属し、高照という名前で最初は活動していました。最初は六角氏に仕官し、その後、織田氏の下で仕えることになります。天正13年（1585年）には近江国長浜城主、山内一豊に仕官し、一豊から「一」の偏諱を受けて一照と名を改めました。もともと彼の官位は刑部少輔でしたが、長浜時代に山内姓を名乗ることを許され、山内刑部一照となるのです。

土佐への移封と滝山一揆の際の活躍

天正18年（1590年）、山内一豊が遠江国掛川に転封される際に、一照は500石を与えられました。慶長5年（1600年）12月、山内一豊が土佐に入国する際、旧長宗我部氏の武士による抗戦が起こりました。一照は、山内一豊の名を掲げ自らの騎馬姿で抗戦し、敵の目を背けることに成功しました。後に一豊は無事に浦戸城に入城することができました。この戦いの最中、一照の槍には焦げ跡が残り、その後の子孫に伝承される逸話となっています。

その後、一照は土佐国長岡郡本山に根を下ろし、本山の初代領主となります。彼は長岡郡下津野の高石左馬之助による滝山一揆に直面します。この一揆は高石左馬之助の横暴によって引き起こされ、農民たちが年貢納入を拒否し、混乱が広がりました。一照は最初は穏便に解決しようとしますが、左馬之助の硬化した態度に業を煮やし、結局討伐を決意します。

一揆の鎮圧と善政

一照は討伐隊を編成し、左馬之助とその支持者たちに対抗することにしました。彼は北山の百姓たちを集め、討伐軍に参加するよう呼びかけつつも、滝山を攻略する道が一つしかなく、敵に対して多くの犠牲を払う厳しい状況に立たされました。最終的に針窪山からの砲撃を利用し、5日間の戦闘の末に一揆勢を退散させることに成功します。

戦いが終わると、一照は農民の不安を緩和するために恩赦を決定しました。左馬之助などの首謀者を断罪することを条件に、百姓たち全員の罪を赦免して、彼らの帰村を促しました。この結果、本山は再度活気を取り戻し、地域の安定をもたらしました。

晩年と子孫

その後、一照は大坂の陣にて高知城の留守居役を務め、主君から強く信任されました。しかし、元和6年（1620年）に63歳で亡くなります。彼の墓は本山町にあり、地域の歴史的な名所として現在も参拝者を受け入れています。

彼の血脈は長男の山内一長を通じて続き、支流は板垣退助に至ります。一照は日蓮宗徒だったため、彼の墓には特別な刻印があります。年月が流れた後も、彼の名を顕彰する祭りは泰平の世を迎え、昭和47年には史跡に指定され続けています。

まとめ

永原一照は、戦国時代から江戸時代にかけての動乱の中で、地域の安定と人民への善政をさまざまな形で実現した能吏でもありました。そのため、彼は今でも地元の人々に敬愛され続けています。また、彼の子孫、特に板垣退助の存在は、彼の業績が後世に受け継がれている証と言えるでしょう。

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