永富雄吉

永富雄吉（ながとみ ゆうきち）は、慶応4年5月21日（1868年7月10日）に生まれ、昭和4年（1929年）1月20日に没した、明治・大正期の日本の海事実業家です。彼は、高等商業学校（現在の一橋大学）の講師などを務めた後、日本郵船の副社長として日本の海運業に大きく貢献しました。

生い立ちと学歴

永富雄吉は、遠江国横須賀藩（現在の静岡県掛川市）に生まれました。安房国花房藩横渚（現在の千葉県鴨川市）出身でもあります。彼は、高等商業学校（現在の一橋大学）の本科に在籍していた1889年、村瀬春雄とともにベルギーのアントワープ商業大学（Institut supérieur de commerce d'Anvers：現在のアントウェルペン大学）に留学しました。アントワープ商業大学でリサンシェ（学士）を取得して卒業後、1894年に帰国し、高等商業学校の講師となりました。

日本郵船での活躍

1895年、永富雄吉は日本郵船に入社しました。彼は、会計課助役、会計課長、取締役主計部長、理事などの要職を歴任し、1921年には副社長に就任しました。日本郵船での彼のキャリアは、日本の海運業の発展に大きく寄与しました。

死去

永富雄吉は、肺気腫に罹り、1929年に60歳で亡くなりました。

家族

永富雄吉の父は花房藩士の永富謙八です。妻のミチは、衆議院議員の野澤武之助の妹です。長男の永富謙一は工学者で、浜松高等工業学校（現在の静岡大学）の教授を務めました。謙一の妻である愛子は、公爵伊藤博邦の二女です。三女の八代子は、帝国劇場の社長などを歴任した秦豊吉の妻です。また、保険学者の村瀬春雄は、永富雄吉の妹の夫にあたります。

永富雄吉は、日本の海運業の発展に貢献しただけでなく、教育者としても多くの人材を育成しました。彼の功績は、今日でも高く評価されています。

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