永寧府

永寧府（えいねいふ）

永寧府は、中国にかつて存在した地方行政区画です。明代から清代にかけて、現在の雲南省寧蒗イ族自治県と四川省ムリ・チベット族自治県にまたがる地域に設置されていました。

歴史

永寧府の歴史は、元代に遡ります。

元代（1279年 - 1368年）
1279年（至元16年）：元朝により、この地域に北勝州と永寧州が置かれました。
1283年（至元20年）：北勝州が北勝府に昇格しました。北勝府と永寧州は、麗江路軍民宣撫司の管轄下に置かれました。

明代（1368年 - 1644年）
1382年（洪武15年）：明朝により、北勝府が北勝州に降格されました。
1406年（永楽4年）：永寧州が永寧府に昇格しました。この時、府としてより重要な行政機関となりました。
1442年（正統7年）：北勝州は直隷州に昇格しました。永寧府は雲南省に属し、以下の4つの長官司を管轄しました。
剌次和長官司
革甸長官司
香羅甸長官司
瓦魯之長官司

阿氏一族が土司として知府を世襲しました。

清代（1644年 - 1912年）
1698年（康熙37年）：清朝により、北勝州が永北府に昇格しました。
1770年（乾隆35年）：永北府が永北直隷庁と改められました。永北直隷庁は雲南省に属し、以下の2つの経歴司と4つの長官司を管轄しました。
華栄荘経歴司
衙坪荘経歴司
蒗蕖土州
永寧土府に属する卜兀山、剌不、甲母、六捏山の4長官司


中華民国（1912年 - 1949年）
1913年：中華民国により、永北直隷庁が廃止されました。

永寧府の行政

永寧府は、その時代ごとに異なる行政組織の下に置かれていました。元代には麗江路軍民宣撫司、明代には雲南省の管轄下にあり、清代には永北府（後に永北直隷庁）として、複雑な行政区分を抱えていました。土司制度により、地方の有力者が世襲で地方行政を担ったことも特徴です。阿氏一族が知府を世襲した例が挙げられます。

地理

永寧府は、現在の雲南省と四川省の境界に位置し、山岳地帯が多く、多様な民族が暮らしていました。この地域は、古くから交通の要衝であり、様々な文化が交錯する場所でした。

まとめ

永寧府は、中国の歴史において、地方行政の変遷を物語る重要な例です。元代から中華民国時代まで、さまざまな変遷を経てその姿を変えましたが、この地域の人々の生活や文化に大きな影響を与えました。この地域は、歴史的に重要な場所として、今後も注目されるでしょう。

もう一度検索