永済市

永済市（えいさいし）

永済市は、中華人民共和国山西省運城市に位置する県級市です。山西省の南西部に位置し、市街地の南には中条山脈が東西に連なっています。市街地の西方には黄河が北から南へと流れ、その対岸は陝西省渭南市です。古くから交通の要衝であり、現在も鉄道や高速鉄道が市内を通過し、各地を結んでいます。

歴史

永済は、かつて河東または河中と呼ばれ、楊貴妃、柳宗元、馬遠といった著名人の故郷として知られています。その歴史は古く、旧称は蒲阪といい、伝説によれば舜の帝都があったとされています。戦国時代には魏に属し、蒲邑と呼ばれていました。

秦朝に蒲阪県が設置されたのが、永済の行政区画の始まりです。その後、前漢により蒲反県、新代に蒲城県と改称されましたが、後漢の成立時に蒲坂県に戻されました。隋朝時代の596年には蒲坂県が廃止され、河東県が新設されました。明朝時代の1369年には河東県が廃止され、その管轄区域は蒲州の直轄となりました。清朝時代の1728年には蒲州が蒲州府に昇格し、県域は永済渠にちなんで永済県と改称されました。

1900年に発生した義和団の乱では、反乱軍を支援した皇族の荘親王載勛が、八カ国連合軍の北京入城後、蒲州に避難し自尽しました。1958年には永済県、安邑県、解虞県、臨猗県が合併して運城県が成立しましたが、1961年には運城県から永済県が分割され再設置されました。1994年1月に県級市に昇格し、永済市となりました。

行政区画

永済市は、以下の街道と鎮を管轄しています。

街道: 城西街道、城北街道、城東街道
鎮: 虞郷鎮、卿頭鎮、開張鎮、栲栳鎮、蒲州鎮、韓陽鎮、張営鎮

経済

永済市の鉱工業は軽工業が中心で、リン、石灰石、石英砂、メノウ、白雲石、鉄、金、銅、鉛、亜鉛などが産出されます。また、中国北車集団傘下の永済電機公司があり、牽引電動機を全国の鉄道に供給しています。外資との提携も進めており、日立との合弁企業を西安に設立しています。

農漁業では、小麦、綿花、淡水魚が主な産品です。特産品としては、桑落酒、蒲柿、黄河大鯉魚などが挙げられます。

名所

永済市には、数多くの名所が存在します。

五老峰: 道教の名山で、東華山とも呼ばれています。近くにある古蒲州とともに国家重点風景名勝区に指定されています。
蒲津渡: 古代には黄河の主要な渡し場でした。蒲津渡と、渡し場のすぐ東にある蒲州故城遺址は全国重点文物保護単位に指定されています。この近くからは、一個の重さが60トンに達する唐代の「鉄牛」が四つ出土しました。これは中国に現存する最大の鋳鉄製の文物とされています。
蒲州故城: 唐代に全国を十五に分けた道の一つ、河東道の治所が置かれ、山西省一帯を管轄していました。その遺跡である城壁や城門の遺構は保存状態が良いです。
鸛鵲楼: 王之渙の詩「鸛雀楼に登る」の一節で有名な楼閣です。蒲津渡の近くにありましたが元代に焼け落ち、1997年に再建されました。
普救寺: 『西廂記』ゆかりの地とされています。

関連項目

永虞県

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