永見長良

永見長良について

永見長良（ながみ ながよし）は、江戸時代前期の高田藩士であり、彼の通称は大蔵である。彼は越後騒動の中心的な存在であり、その生涯は権力闘争と政変に彩られていた。

来歴の概要

長良は松平忠直の三男として生を受け、慶安4年（1651年）4月21日に同母兄の松千代（後の永見長頼）らと共に新たに越後国高田に移住した。彼は長い間家族と共にこの地で過ごし、異母兄の松平光長からは2000石の知行を賜り、また偏諱を受けることで高田藩士としての地位が確立された。

権力の変化と対立

長良は妹の夫であり、筆頭家老の小栗正矩と対立していた。小栗が導入した蔵米制に反発したことがきっかけとなり、この二人の間には大きな溝が生まれた。延宝2年（1674年）、光長の嫡男である綱賢が急死し、光長には他に男子がいなかったため、世嗣を選定することが急務となった。重臣たちの評定で、甥の万徳丸が光長の世嗣に選ばれたが、長良は高齢を理由に候補から外されてしまった。

藩内の騒動

万徳丸が次の藩主になると、家中では小栗が大六を世嗣にしようとたくらんでいるとの疑念が生じ、反小栗派の重臣たちは長良を支持して911名の藩士を集結させた。1679年の正月、長良は光長に面会し、同士たちの署名を持参して小栗の悪政を批判し、彼の隠居を求める強硬な姿勢を示した。この結果、光長は小栗に隠居を命じたが、長良らは事態の収束を望まなかった。

幕府の介入

藩主の光長がこの騒動を収められなくなったため、大老酒井忠清に仲裁を依頼した。しかし、騒動は続き、ついには幕府から長良とその支持者たちが「人心を惑わした罪」として処罰を受け、高田藩は改易され、長良は萩藩毛利家に預けられることとなった。

流罪とその後

1680年5月、将軍の徳川家綱が死去し、後を継いだ徳川綱吉は、この騒動の再調査を命じた。再審では、小栗と長良が江戸に呼ばれ、対決が繰り広げられた。長良は小栗の専横と不当な行為を名指しで批判し、小栗はこれに対抗した。最終的に、1681年6月、将軍は小栗父子に切腹を命じ、長良は流罪にされ、八丈島に送られた。

八丈島での晩年

流刑となった長良は、流人身分でありながらも、徳川家康の曾孫という家系により、比較的良好な待遇を受けた。しかし、元禄14年（1701年）に八丈島を襲った飢饉により、多くの島民が餓死し、長良も食料不足に苦しんだ。彼は、金の詰まった千両箱を抱えながらも、最終的には食糧を失い、共に流罪となっていた荻田と共に餓死したとされています。

系譜

長良の家系は、侍妾とともに彼の女子が1696年に亡くなっていることが知られています。彼の人生は、江戸時代の政治的な波乱を象徴するものであり、権力が持つ脆弱さとその影響を如実に示しています。

関連項目

• - 越後騒動

以上が永見長良の生涯とその背景についての詳細です。彼の物語は、権力闘争による浮き沈みと、時代の変わり目に生きた一人の武士の悲劇を物語っています。

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