江上武種

江上武種（えがみ たけたね）

江上武種は、戦国時代の武将であり、少弐氏、そして後に龍造寺氏の家臣として活躍しました。江上氏の15代当主でもあります。

略歴

武種は、少弐資元・冬尚父子に仕え、その初期の経歴を重ねました。天文20年（1551年）に、土橋栄益が龍造寺鑑兼を龍造寺氏の当主に据えようと画策し、龍造寺隆信に対して反旗を翻すと、武種は神代勝利、八戸宗暘、小田政光、筑紫惟門ら19将と共にこの反乱に加担し、隆信と敵対する立場を取りました。

しかし、天文24年（1555年）に、武種が居城としていた勢福寺城へ隆信の軍勢が侵攻してくると、武種はこれを防ぎきることができず、城を放棄して仁比山へと退却しました。

その後、武種は城原城に拠点を移しましたが、永禄元年（1558年）11月、隆信が勢福寺城に滞在していた少弐冬尚を攻撃するために進軍してきた際、神代勝利と共に、龍造寺軍の先鋒を務めていた小田政光（元は少弐家の家臣であり、後に隆信に降伏し服属）を討ち取るという大きな戦功を挙げました。12月3日には隆信との間で和議が成立しましたが、翌永禄2年（1559年）、隆信が和睦の約定を破り、城を攻撃してきます。これに対し、武種は筑後国へと逃れ、冬尚は自害するという悲劇的な結末を迎えました。その後、武種は隆信と再び和睦し、勢福寺城へと帰還しました。

以後、武種は龍造寺氏に属し、神代氏攻めなどにも参加しましたが、永禄12年（1569年）に大友氏が肥前へ侵攻してくると、援軍を要請したにもかかわらず隆信が援軍を派遣しなかったため、大友方に寝返り、村中城攻めに参加しました。元亀元年（1570年）に大友氏が今山の戦いによって龍造寺攻めを断念すると、隆信による逆襲が始まりました。翌元亀2年（1571年）、隆信は鍋島信生（後の鍋島直茂）らに2,000の兵を与えて武種を攻めさせました。武種は重臣である執行種兼らの活躍によって一度はこれを撃退しましたが、最終的には隆信の圧力に屈し、隆信の子である家種を養子として迎え、和睦しました。以後、江上氏は家種の指揮のもと、龍造寺氏の傘下として活動することとなりました。

脚注

出典

『肥陽軍記』
『北肥戦誌』

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