勢福寺城

勢福寺城は、佐賀県神埼市神埼町城原に位置する日本の城郭です。文和2年（正平8年、1353年）に、当時の九州探題であった一色範氏の子で、肥前守護職にあった一色直氏によって築かれたと伝えられています。一色直氏は後に二代目の九州探題に任じられました。

勢福寺城は、築城後、その所有者が幾度も変わりました。菊池氏、少弐氏、大友氏、大内氏といった有力な氏族が次々と城主となり、この地域の支配権を巡る争いの舞台となりました。その後、戦国時代に入ると、龍造寺氏が台頭し、勢福寺城もその勢力下に入ります。

天文9年（1540年）には、少弐冬尚が少弐氏の再興を図りますが、永禄2年（1559年）に龍造寺隆信によって攻められ、勢福寺城は落城しました。この戦いによって、龍造寺氏が肥前における支配を確立する上で重要な一歩となりました。

落城後、勢福寺城は龍造寺隆信の次男である江上家種が城主となりました。江上家種は、龍造寺氏の重臣として活躍し、勢福寺城を拠点として周辺地域の統治を行いました。しかし、天正17年（1589年）に江上家種は蓮池城へと移り、それに伴い勢福寺城は廃城となりました。

現在、勢福寺城の跡地には、わずかに土塁や堀の跡が残っており、往時の面影を偲ぶことができます。城跡は、地域の歴史を伝える貴重な遺産として、地元の人々によって大切に保存されています。

関連情報

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西谷山種福寺 – 江上氏の菩提寺
* 土器山八天神社（もと中宮菩提寺）

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