江原線

江原線について

江原線（カンウォンせん）は、北朝鮮の咸鏡南道高原郡にある高原駅から江原道平康郡に位置する平康駅までを結ぶ重要な鉄道路線です。この鉄道の名称は、通る地域名から名付けられています。

歴史的背景

この路線は、もともと日本の植民地時代に京元線の一部として開通しました。当時は京城府（現在のソウル）から元山までを結んでいましたが、朝鮮戦争によって国が南北に分断され、その結果として路線も分割されました。江原線は、この分断の結果として北側に所属することになった区間を北朝鮮国鉄が統合して名付けたものであります。

1944年、太平洋戦争の終焉に近づく中で、京元線の福渓駅から高山駅間が電化され、これは朝鮮における国鉄路線として初の電化区間となりました。電化には直流3000 Vが使用され、その後もこのエリアで使用されたデロイ形電気機関車は、朝鮮戦争後も活用され続け、北朝鮮全体の鉄道路線の約80%が電化される基礎を築きました。江原線も現在では全ての区間が電化されています。

また、元山市内の駅の変更によって元山駅が現在の位置に移転され、その結果、全体の路線距離は朝鮮戦争以前よりも短縮されました。

運行状況

近年では、北朝鮮の鉄道全般に見られる資源不足と老朽化の影響を受け、江原線でも列車の速度や本数が減少し、停電による運行の遅延が問題となっています。2002年の時点では、平壌から平康までを結ぶ夜行の急行列車が運行されていた他、大同江から平康間を結ぶ昼行の準急行列車も1往復設定されていました。

ただし、現在の運行状況はこの時期とは大きく異なり、従来のサービスレベルの保持が難しくなっています。

駅情報

江原線にはいくつかの駅が存在しますが、過去には廃止された駅もあります。例えば、佳谷駅（가곡역）は平康駅と京元線の新炭里駅との間に位置していましたが、現在は存在しません。また月井里駅（월정리역）も同様に間に存在したものの廃止されました。

廃止当時、これらの駅はそれぞれ江原道に位置しており、その影響を受けた地域は今もなお鉄道への依存が続いています。

参考資料と関連情報

江原線についてより詳細な情報を知りたい方は、国分隼人著の『将軍様の鉄道 北朝鮮鉄道事情』や、鉄道省が編纂した『鉄道停車場一覧』などを参考にすると良いでしょう。さらに、南北分断を背景にした鉄道の歴史や、金剛山電気鉄道、東海線との関係性についても探ってみると、江原線の位置付けに関する理解が深まるでしょう。

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