江原道 (朝鮮民主主義人民共和国)

江原道（カンウォンド）について

江原道は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の南東部に位置する行政区画です。東は日本海に面しており、その美しい海岸線と山岳地帯は、多くの人々を魅了してきました。特に、景勝地として名高い金剛山は、この地域を代表する観光名所となっています。

地理と歴史

江原道の名前は、かつての朝鮮八道の一つであった江原道から引き継がれています。この名前の由来となった江陵（カンヌン）と原州（ウォンジュ）は、現在では軍事境界線を挟んで大韓民国（韓国）側の江原特別自治道に位置しています。江原道は、北は咸鏡南道（ハムギョンナムド）、西は平安南道（ピョンアンナムド）と黄海北道（ファンヘブクト）、南は軍事境界線を挟んで韓国の京畿道（キョンギド）と江原特別自治道に接しています。

第二次世界大戦後、朝鮮半島が南北に分断された際、江原道もその影響を受けました。日本統治時代の江原道には北緯38度線が引かれ、これにより道は南北に分割されました。道の大部分、特に春川（チュンチョン）、江陵、原州といった主要都市は韓国側の地域となったため、1946年に北朝鮮は、咸鏡南道から元山（ウォンサン）市、文川（ムンチョン）郡、安辺（アンビョン）郡、そして京畿道から漣川（ヨンチョン）郡、抱川（ポチョン）郡（後に永平（ヨンピョン）郡と改称）、加平（カピョン）郡を江原道に編入し、元山市を道都と定めました。この時、加平郡は華川（ファチョン）郡に編入され、永平郡は漣川郡と鉄原（チョルウォン）郡に分割編入されて消滅しました。

朝鮮戦争末期の戦線変動により、江原道一帯の軍事境界線は38度線より北に押し上げられました。この結果、現在では、38度線よりも北側の地域が北朝鮮の江原道として、38度線よりも南側の地域が韓国の江原特別自治道として、それぞれ存在しています。

行政区分

江原道は、以下の市部と郡部で構成されています。

市部

元山市（ウォンサンシ）：江原道の道都
文川市（ムンチョンシ）

郡部

川内郡（チョンネグン）
安辺郡（アンビョングン）
高山郡（コサングン）
通川郡（トンチョングン）
高城郡（コソングン）
金剛郡（クムガングン）
昌道郡（チャンドグン）
金化郡（キムァグン）
淮陽郡（フェヤングン）
洗浦郡（セポグン）
平康郡（ピョンガングン）
鉄原郡（チョルォングン）
伊川郡（イチョングン）
板橋郡（パンギョグン）
法洞郡（ポプトングン）

主な観光地

江原道は、美しい自然景観で知られています。特に有名なのは、金剛山です。金剛山は、四季折々の美しい景色で知られ、多くの観光客が訪れます。また、関東八景の一部も含まれており、その自然美は訪れる人々を魅了します。金剛山観光は現在中断されていますが、その景色は今もなお多くの人々の記憶に残っています。

関連項目

江原特別自治道（韓国）
江原道（日本統治時代）
江原道（朝鮮八道）

江原道は、その美しい自然と歴史的な背景から、朝鮮半島を語る上で欠かせない地域の一つです。

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