江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎

江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎（1970年）

『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』は、1970年4月4日から9月26日まで、東京12チャンネル（現・テレビ東京）で放送されたテレビドラマです。土曜夜8時の枠で、全26話が放映されました。ただし、第25話と第26話は、同年12月に『金曜スペシャル』として別途放送されています。

概要

本作は、江戸川乱歩の小説を原作としたオムニバス形式のドラマです。特徴的なのは、明智小五郎が登場しない原作や、ジュブナイル作品も積極的に取り上げ、大胆な脚色を施している点です。原作の忠実な再現に留まらず、自由な発想で乱歩の世界観を映像化した点が、本作の魅力と言えるでしょう。

特筆すべきは、本作品に登場する怪人たちのデザインです。蜘蛛男や黄金仮面といった異形の存在は、後の特撮作品、特に『仮面ライダー』初期シリーズに大きな影響を与えたとされています。一部の監督が共通している点も、その影響を裏付ける要因の一つです。

主演の滝俊介は、本作への出演を機に芸名を改めました。これは、江戸川乱歩の未亡人であるりうの命名によるものです。

東映チャンネルでは、過去に何度か再放送が行われています。2002年、2015年、2017年には全26話が放送され、2014年には東映チャンネル15周年記念として、第1話と最終話が特別に放送されました。

キャスト

明智小五郎：滝俊介
波越警部：山田吾一
波越亜沙子：橘ますみ
小林芳雄：岡田裕介
平井教授：山村聡

スタッフ

制作：東京12チャンネル、東映
企画：神山安平、東陽、泊懋、秋田亨、井上雅央
原作：江戸川乱歩
脚本：池上金男、長谷川公之、石森史郎、宮田達男、高岩肇、宮川一郎、七条門、須崎勝弥、押川国秋、石川義寛、野波靜雄、麻生大仁、松田寛夫、宮田雪、吉岡昭三、大原清秀
監督：工藤栄一、竹本弘一、田口勝彦、石川義寛、中川信夫、江崎実生、若林幹、山田稔、島津昇一、鈴木敏郎、原田雄一、佐伯孚治、小林義明
音楽：菊池俊輔
撮影：坪井誠、吉田重業
照明：安井績
助監督：塚田正熙、中西源四郎
録音：岩田広一
美術：北郷久典
編集：鈴木寛、共同プロ
記録：和田宏子、藤山久美子、岡本洋子、武田和子、大坂聰子
進行主任：市倉正男、飯田千昭、飯田康之
衣裳：東京衣裳
現像：東映化学
マネキン協力：ベベ工芸
協力：引田天功、箱根ホテル冠峰楼
技斗：伊達弘
刺青：霞凉二
予告ナレーション：中曽根雅夫
制作協力：東映東京制作所

その他

1970年5月23日と9月19日は、プロ野球中継のため放送休止。
デジタルリマスター版DVD-BOXが、2016年にベストフィールドから発売。
サウンドトラックCDが、ウルトラヴァイヴ×ミュージックファイルシリーズから2008年に発売。

エピソード

円谷プロダクションのプロデューサー、熊谷健が偶然第25話を視聴し、その演出を気に入ったことから、同話を監督した佐伯孚治を『帰ってきたウルトラマン』の監督に起用したというエピソードがあります。

もう一度検索