佐伯孚治

佐伯孚治についての詳細

佐伯 孚治（さえき たかはる）は、1927年12月15日に東京で生まれ、2018年1月13日に90歳で亡くなった特撮テレビドラマの映画監督・演出家です。彼は東京府本郷区（現文京区）で育ち、旧制・開成中学校や旧制・第四高等学校を経て、東京大学文学部の仏文科を卒業しました。

来歴

佐伯は1954年に東映に入社し、最初は助監督として田坂具隆のもとで経験を積みました。1964年には『どろ犬』で監督デビューを果たします。しかし、次の年、労働争議に参加したことが原因で、社長の大川博の逆鱗に触れ、別会社に異動となりました。この時期、彼は現場での仕事ができない状況に置かれました。

そんなある日、同期の脚本家・鈴木尚之の助けで、1966年に『渥美清の泣いてたまるか』を監督し、ここから彼のテレビドラマ監督キャリアが始まります。その後、彼は数作品を通じてテレビドラマ界に広く関わることになりました。

戻った1968年以降、佐伯は子供向け作品から時代劇、さらにはアクションドラマまで多岐にわたるジャンルに手を広げ、『怪盗ラレロ』や『帰ってきたウルトラマン』等、数多くの人気番組に貢献しました。特に、1982年には東映を退社し、約20年ぶりに『高原に列車が走った』を制作しました。

その後も、彼は東映不思議コメディーシリーズに関わり、『美少女仮面ポワトリン』などでメイン監督として活躍しました。このシリーズでは全作に関わった唯一の人物として知られています。シリーズ終了後は、ドキュメンタリー演出にも進出し、評価される作品を残しています。

人物とエピソード

佐伯は、反戦映画に感銘を受けたことから東映を選びましたが、入社当初は会社が力を入れていたエンターテイメント映画は見たことがありませんでした。特に、平山亨という同僚のプロデューサーとの関係から、『好き! すき!! 魔女先生』や『仮面ライダースーパー1』などの作品に参加する機会を得ました。

また、『帰ってきたウルトラマン』の監督起用は、彼が製作した『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』の作風が円谷プロのプロデューサーに評価されたことがきっかけでした。彼は労働組合にも長らく所属し、創作活動を続けました。

彼が手掛けた作品の中には、少年探偵団風のものも多く含まれ、『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』などがその代表です。さらに、佐伯は現場での厳しさでも知られ、更なる才能を引き出す監督としての姿勢が高く評価されています。

主な作品

佐伯が手がけた作品例を挙げると、以下のようになります：

• - 映画：『どろ犬』（1964年）、『高原に列車が走った』（1984年）
• - テレビ：『渥美清の泣いてたまるか』（1966〜1968年）、『帰ってきたウルトラマン』（1971〜1972年）、東映不思議コメディーシリーズなど。

総括

佐伯孚治は、その幅広いジャンルでの業績により、特撮テレビドラマの発展に大きく寄与した監督でした。彼の作品は今もなお、多くのファンに愛され続けています。

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