江戸川区歌

江戸川区歌の概要

「江戸川区歌」（えどがわくか）は、東京都江戸川区が制定した公式区歌です。この曲は1965年（昭和40年）に制定され、作詞を担当したのは岡久美子（この名義は神山清志という別名でも知られています）、作曲は清水保雄が手掛けました。歌詞は全3番で構成されていますが、特筆すべきは、2016年（平成28年）から2021年（令和3年）までの間に特例として作られた4番が存在するということです。この4番は、江戸川区立葛西第二中学校の3年1組6班が作詞したもので、東京オリンピック・パラリンピックを記念して期間限定で使用されました。

歌の成立と背景

江戸川区歌の制定は1965年のことですが、その具体的な制作背景は少々曖昧です。全国からの懸賞募集で選ばれた歌詞として知られていますが、『江戸川区史』第2巻にはその経緯に関しての詳しい記述は見当たりません。この点に関しては後の研究や著作においても十分に明確にされていないようです。岡久美子は、実際には毎日新聞の記者であり、過去には栃木県の「県民の歌」でも入選した経歴を持つ作詞者です。

発表演奏会では、松田トシが初めてこの歌を歌唱しました。その後、1970年（昭和45年）には区のモットー「ゆたかな心 地に緑」が採用された際に、日本ビクターの委託によって三浦洸一の歌唱を収録したソノシートが作られました。さらに1978年（昭和53年）には、ビクター音楽産業によって三浦の歌声を行進曲アレンジで収録したシングル盤が発売されました。

増補された4番の詳細

2020年、江戸川区では東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、区歌に4番を加える方針を声明しました。この新たな歌詞を作るために区民を対象に公募を行い、その中から江戸川区立葛西第二中学校の生徒が選ばれました。本来2020年9月までの予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により開催が延期となったため、4番の演奏が1年間延長されることになりました。このようにして、2021年9月のパラリンピック闭幕まで多くの区民が新しい歌を楽しむことができました。ただし、この4番は期間限定の採用とあらかじめ告知されていたため、パラリンピックの終了をもって廃止されることとなりました。

現在、江戸川区の公式サイトでは制定当初からの3番までが紹介されていますが、区のYouTubeチャンネルには4番の演奏もアーカイブとして残されているため、興味のある方はぜひ確認してみてはいかがでしょうか。

江戸川区の旧町歌

江戸川区の歴史を語る上で、前身となった東京府南葛飾郡の町村が制定した旧町歌にも触れておく価値があります。松江町では1929年に、詩人の北原白秋が作詞、作曲家の山田耕筰が作曲した「わかき松江」という町歌が制定されていました。このように、江戸川区歌は地域の文化や歴史を反映するものであり、その独自性と歴史的背景は地域住民にとって重要な意味を持っています。

参考文献と関連情報

この歌に関する詳しい情報は、いくつかの文献や資料に記載されています。特に、『江戸川区史』や江戸川区による公式な出版物などは、歌の背景や歴史を知るための貴重な資料となります。また、外部リンクとして江戸川区の公式サイトや区歌の紹介ページなども参照することで、さらに深く理解を深めることができるでしょう。

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