江田神社 (宮崎市)

江田神社について

江田神社（えだじんじゃ）は、宮崎県宮崎市阿波岐原町に位置する神社で、古来より信仰の対象とされてきました。この神社は式内社に指定されており、旧社格は県社であります。主祭神として伊邪那岐尊（いざなぎのみこと）が祀られ、配祀神に伊邪那美尊（いざなみのみこと）がいます。この二柱は地元の人々に「産母（やぼ）様」と親しまれ、地域の重要な存在となっています。

祭神と神話

伊邪那岐尊に関する神話は、『古事記』や『日本書紀』に記されています。彼が黄泉から戻り、禊を行った地として「阿波岐原」が記されており、現在の江田神社付近がその場所であると考えられています。この神話に基づき、江田神社は「御祓い発祥の地」としても知られています。近くには「みそぎ池」があり、ここが伊邪那岐尊が禊を行った場所だとされています。この神社のある地域は、イザナギの子であるアマテラスやツクヨミなど重要な神々が誕生した地とも言われており、深い歴史と信仰が息づいています。

古代の集落跡

江田神社周辺には多くの古代の集落跡があり、特に弥生時代の檍遺跡や古墳時代に属する前方後円墳・檍1号墳などがあります。埋葬された木製墓室は国内最大とされ、これらの発見はこの地域の歴史的重要性を物語っています。

近代の歴史

国史における江田神社の初見は、837年の『続日本後紀』に遡ります。この記録には「日向国子湯郡都濃神」「宮埼郡江田神」と記されています。また、『延喜式』では正式な神社名として江田神社が登場し、当時から神社としての位置付けがあったことがわかります。970年までに神階が最高位の正一位にまで達したとされ、その歴史的な地位を持ち続けていたことが分かります。当社は中世においても日向国を代表する神社として多くの文献に登場しています。

そもそも、江田神社は江戸時代初期には伊東氏の領地に所在していました。事実、1662年に大津波に見舞われた後は社殿が失われ、神社としての地位は一時衰退を余儀なくされました。この災害は貴重な文化遺産も多く失わせ、地域にも大きな影響を与えました。その後、夜の浜辺での禊の習慣など、地域の伝統も残されています。

明治時代になると、1873年には近代社格制度において県社に列格され、神饌幣帛料供進神社にも指定されました。このように、江田神社は時代の変遷を経ながらも地域の信仰の中心として存在し続けています。

境内の特徴

神社の境内には、主祭神である伊邪那岐尊が禊を行ったとされる「御池」があり、神社の北東に位置します。この池は「みそぎ池」とも呼ばれ、訪れる人々にとって神聖な場となっています。

祭事と伝統

江田神社では、年間を通して様々な祭事が行われています。2月17日の祈年祭、6月30日の大祓祭、11月22日の例大祭、そして11月23日の新嘗祭が特に重要です。また、春と秋の社日祭では「江田神楽」が奉納され、この神楽の歴史は古く、慶長17年銘の神楽面が残されています。

アクセス情報

江田神社は宮崎交通の19系統動物園線で、「江田神社」バス停下車後、すぐの位置にあります。また、周辺には住吉神社があり、こちらも伊邪那岐尊が禊を行った際に誕生した住吉三神が祀られています。

江田神社は、その豊かな歴史と信仰が息づく場所として、多くの訪問者に愛されています。

もう一度検索