江田行義

江田行義（えだ ゆきよし）は、南北朝時代に活躍した武将です。

生涯

江田氏は、上野国新田郡世良田郷を支配していた新田氏流世良田氏の一族です。

『太平記』によれば、元弘3年（1333年）5月、新田義貞が挙兵した際に、江田行義はこれに従い、鎌倉の戦いにおいて同族の大舘宗氏と共に極楽寺坂方面の大将を務めたとされています。しかし、史料上では江田氏が極楽寺坂で活躍したという明確な記録はなく、実際には江田氏の本家筋にあたる世良田満義が大将を務めていたとする指摘もあります。建武政権下では、武者所三番頭人を務めました。

建武2年（1335年）に足利尊氏が政権から離反すると、江田行義は義貞に従い、足利氏一派の追討に奔走し、新田軍の中核として活躍しました。延元元年（1336年）3月に尊氏が九州へ逃れた際には、病に伏せていた義貞に代わり、大舘氏明と共に中国地方平定のため出陣し、播磨国室山で赤松則村を撃破するという軍功を挙げました。しかし、同年5月の湊川の戦いにおいて、再挙した足利軍の前に敗北を喫しました。

同年10月、後醍醐天皇が比叡山で義貞を見捨てて下山し、尊氏との和睦を図ろうとした際、新田一族内に主戦論を唱える者が多い中、江田行義は大舘氏明と並ぶ数少ない和平派として、後醍醐天皇に寄り添いました。その後、北陸へ向かった義貞とは袂を分かち、南朝方として丹波高山寺城を拠点に奮戦しましたが、その後の消息は不明です。

参考文献

福井・新田塚郷土歴史研究会『越前の新田義貞考（上）～歴史研究学習資料～』DoCompany出版、2013年。
髙野宜秀「『太平記』における大館氏と江田氏の考察 : 鎌倉攻め極楽寺坂切通の記述を中心に」『法政大学大学院紀要』第69号、法政大学大学院、2012年、282-272頁、doi:10.15002/00008289、ISSN 0387-2610、NAID 40019487009。

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