池本清

池本 清（いけもと きよし）

池本清は、1932年8月16日に広島県広島市で生まれ、2006年8月3日に逝去した日本の経済学者です。彼の専門は主に国際経済理論であり、長年にわたる研究と教育を通じて多くの業績を残しました。1955年に広島大学の政経学部を卒業し、その後、1960年に神戸大学大学院の博士課程を満期退学しました。1983年には、「国際経済理論の研究」により神戸大学から経済学博士の学位を取得しました。

学問の研鑽を続ける中で、池本氏はまず1960年に桃山学院大学の助手としてキャリアをスタートし、1961年には専任講師に昇進しました。その後、神戸大学経済学部に専任講師として移籍し、1964年に助教授、1972年には教授に就任し、1996年に定年退官するまで、その職務を全うしました。退官後は名誉教授となり、大阪学院大学で教授職を継続しました。

著書と研究

池本清は、経済学の多様な側面に関する多くの著書を執筆しました。彼の主な著作には、以下のようなものがあります：

• - 『国際経済理論の研究』（1980年、神戸大学研究双書刊行会）
• - 『国際経済体制論の研究』（1981年、風間書房）
• - 『開発経済学の研究』（1982年、同文館出版）
• - 『国際貿易論の研究 国際貿易理論・貿易政策・海外直接投資』（1983年、千倉書房）

また、いくつかの共編著も手がけており、主なものには：

• - 『入門経済学 6 貿易の経済学』（1977年、田中喜助共編、有斐閣選書）
• - 『新しい国際経済学』（1978年、編著、千倉書房）
• - 『国際経済入門』（1978年、深海博明、松永嘉夫、矢野恵二共著、有斐閣新書）
• - 『日本企業の多国籍的展開 海外直接投資の進展』（1981年、上野明、安室憲一共著、有斐閣選書）

これらの著作を通じて、国際的な貿易や経済の動向に関する深い洞察が示されています。特に、国際経済における日本の位置付けや、貿易政策の重要性を論じる作品が多く、彼の貢献は広く評価されています。

さらに、池本氏は翻訳活動にも力を入れており、Staffan Burenstam Linderの『発展途上国の貿易と貿易政策』を日本語に訳し、多くの読者に関心を持たせました。こういった活動を通じて、彼は国際的な視野を持つ経済学者としての地位を確立しました。

結論

池本清の業績は、日本の経済学界において重要な位置を占めており、国際経済理論に関する理解を深める上で彼の著作は欠かせないものとなっています。彼の研究は、後進の学者たちにとっても大きな指針となっており、日本の経済学の未来に影響を与え続けています。

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