池田信夫 (野球)

池田信夫（いけだ のぶお）氏は、1950年5月25日に京都府で生まれ、2012年11月24日に逝去した野球選手、そして指導者です。繋駕速歩（けいがそくほ）の騎手であった池田三郎氏を父に持ちます。

投手としてそのキャリアをスタートさせた池田氏は、平安高校時代に全国高等学校野球選手権大会（夏）および選抜高等学校野球大会（春）に計4回出場しました。

1年生だった1966年夏には、3年生エースの門野利治投手の控えとして夏の選手権に出場。2試合にリリーフとして登板し、チームの準々決勝進出に貢献しましたが、報徳学園に敗れました。

2年生からはエースの座を掴み、1967年春の選抜に出場しましたが、2回戦で新居浜商に敗退。同年夏は京滋大会決勝で敗れ、甲子園出場を逃しています。この時期、1学年上のチームメートには四番打者で中堅手の江島巧選手がいました。

3年生となった1968年には、春の選抜で準々決勝に進出。しかし、この大会で優勝した大宮工に敗れます。夏の選手権にも出場しましたが、1回戦で再び大宮工に9回逆転負けを喫しました。高校の同期には捕手の石山一秀選手、1年下には一塁手の渋谷通選手や右翼手の川本浩次選手がいました。

高校卒業にあたっては、1968年のドラフト会議で東京オリオンズから3位指名を受けましたが、プロ入りを拒否し、大学への進学を選択しました。即戦力左腕として注目されていましたが、早くから進学の意向を明確にしていたため、球団も強引な交渉は行いませんでした。

卒業後、法政大学に進学。東京六大学野球リーグでは、1年生の1969年秋季リーグから驚異的な4季連続優勝を経験しました。1学年上の横山晴久投手とともに法政大学の強力な「二本柱」としてチームを牽引しました。しかし、大学野球の全国大会である全日本大学野球選手権大会や明治神宮野球大会では、あと一歩のところで優勝に届きませんでした。

特に語り草となっているのが、1970年の全日本大学野球選手権大会準決勝、関西大学との一戦です。この試合では、同期の2年生エースであった山口高志投手（後に阪急ブレーブスのエース）を擁する関大と激突。池田氏は8回から横山投手をリリーフし、熱投を続けました。試合は延長20回という、現在も選手権記録として残る長丁場となり、最後は平安高校の先輩である杉政忠雄選手にサヨナラ本塁打を浴び、2-3xで惜敗しましたが、大学野球史における伝説的な熱戦として知られています。

3年生時の1971年全日本大学野球選手権大会決勝では、山本和行投手（後に阪神タイガースのエース）を擁する亜細亜大学に4-7で敗れ準優勝。最上級生となった1972年明治神宮野球大会決勝では、1年下の前村泰正投手らが登板し池田氏自身の出番はありませんでしたが、再び山口高志投手の関西大学に0-1で敗れ、またも準優勝に終わりました。

東京六大学リーグでの通算成績は、38試合に登板し18勝8敗、防御率1.61、奪三振153という優れた記録を残しています。大学の同期には、後にプロ野球で活躍する長崎慶一選手、伊達泰司選手、松村彰士選手らがいました。

1973年に大学を卒業した後、社会人野球の大昭和製紙に入社。ここでも山根政明投手と並び、チームの投の屋台骨を支える「二本柱」として活躍しました。入社年から5年連続で都市対抗野球大会に出場。特に1975年の都市対抗では、2回戦で河合楽器を相手に完封勝利を飾る好投を見せましたが、準々決勝では電電関東の丹利男投手に完封負けを喫し、チームは敗退しました。

現役引退後は指導者の道へ進みます。1987年から拓殖大学第一高校の野球部監督に就任。その手腕を発揮し、1993年秋季東京大会でチームを優勝に導き、翌1994年春の選抜高等学校野球大会への出場を果たしました。これは同校にとって初の甲子園出場でした。

監督としては2012年夏まで采配を振っていましたが、同年10月に体調を崩し、同年11月24日に62歳で逝去しました。

池田信夫氏は、高校、大学、社会人と第一線で活躍した選手であり、また指導者として後進の育成にも貢献した、日本の野球界における重要な人物の一人です。

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