池田古墳

池田古墳の詳細

池田古墳（いけだこふん）は兵庫県朝来市和田山町平野にあり、形状は前方後円墳です。地元の重要な遺跡であり、兵庫県指定の史跡として認識されています。また、出土品は国の重要文化財にも指定されています。この古墳は但馬地方で最大のものであり、兵庫県内では第4位の規模を誇ります。築造は5世紀初頭、古墳時代中期であると推定されています。

概要

池田古墳は、兵庫県北部に広がる和田山盆地北部、大倉部山の東麓に位置します。この大型の前方後円墳は、1907年頃に山陰本線の敷設によって墳丘が一部削平されたり、周辺が宅地として開発されたため、古墳の原状は大きく変化してしまいました。墳丘の中心には国道9号線（和田山バイパス）が通過しており、その影響で古墳の状態は損なわれています。

昭和30年代後半から学術的な調査が始まり、1971年以降、数回にわたる調査が実施されています。古墳の形状は前方後円形で、前方部が北東を向いています。墳丘は3段に築かれており、全体の長さは約172メートル、墳丘自体の長さは約136メートルです。この規模は但馬地方では最大、そして兵庫県内では4位に当たります。

さらに特徴的なのは、墳丘外部が葺石で覆われている点です。また、出土した埴輪には円筒埴輪や形象埴輪が含まれており、水鳥形の埴輪は23個体に及び、これは全国でも最多の数となります。周囲には盾形の周濠も形成されており、これらの特性を持つ古墳は池田古墳と船宮古墳（朝来市桑市）に限られています。

埋葬施設については不明ですが、古墳の北西約4キロメートルにある高田地区には長持形石棺の一部が残されており、古墳との関わりが指摘されています。この長持形石棺は王墓に通常用いられるものであり、池田古墳でも使われていた可能性が考えられています。

池田古墳は古墳時代中期、特に5世紀初頭に築造されたと考えられています。朝来市の古墳時代前期には、若水古墳や城ノ山古墳が知られていますが、それに続く形で池田古墳が南北但馬地方を統合する王墓として位置づけられ、後に続く茶すり山古墳や船宮古墳へとその地位を引き継いでいます。

この古墳は2013年に朝来市の指定史跡として認定され、2019年には出土品が国の重要文化財に指定されています。これにより、池田古墳は地域の歴史や文化を知る上で貴重な資料となっています。

墳丘の詳細

• - 古墳総長: 約172メートル（周濠を含む長さ）
• - 墳丘長: 約136メートル
• - 後円部: 3段築成、直径約76メートル
• - 前方部: 3段築成、幅約72メートル

この長さについては、以前は141メートルとされていましたが、2007年の調査で修正され、136メートル程度と見積もられています。

文化財の指定

池田古墳からの出土品は、国指定の重要文化財に認定されています。具体的には、

• - 水鳥形埴輪: 14点
• - 壺形、朝顔形、円筒埴輪: 12点
• - 笠形木製品: 1点

その他多数の附属品も含まれています。
また、池田古墳自体は2013年に兵庫県指定文化財としての地位を得て、歴史的価値が高められています。

池田古墳はその構造、規模、出土品によって古墳時代の重要な遺産となっており、訪問者にその神秘的な歴史を感じさせる場として、多くの人に親しまれています。

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