池田斉政

池田斉政

池田斉政（いけだ なりまさ）は、江戸時代後期の大名で、備前岡山藩の第6代藩主。岡山藩池田家宗家の8代目当主にあたります。

生涯

安永2年（1773年）に、第5代藩主・池田治政の次男として江戸の藩邸で生まれました。兄がいましたが、正室の子として届け出られ、嫡男として扱われました。寛政2年（1790年）に元服し、寛政6年（1794年）に父の隠居を受けて藩主の座を継ぎました。第11代将軍・徳川家斉から偏諱を授かり、初名の政久（まさひさ）から斉政に改名しました。

藩主となると、父の代からの放漫な財政を立て直すため、徹底した倹約政策を実行しました。役職に見合った予算制度を導入し、無駄な出費を抑えることで、藩財政の回復に尽力しました。また、文化の振興や有能な人材の登用にも力を入れ、藩政の再建に一定の成果を上げました。

しかし、後継者問題に悩まされることになります。文政2年（1819年）に嫡男・斉輝が23歳で早世し、翌年には斉輝の長男も亡くなりました。そこで、弟・政芳の長男である斉成を婿養子に迎えますが、文政9年（1826年）に斉成も18歳で亡くなってしまいます。幕府から将軍家の子女を養子に迎えるよう勧められますが、これを断り、薩摩藩主・島津斉興の次男・久寧（後の為政、斉敏）を新たな婿養子として迎えました。

文政12年（1829年）に斉敏に家督を譲り、隠居しました。天保4年（1833年）に岡山城西の丸で亡くなりました。享年61。

系譜

父：池田治政
母：米姫（鳳台院、酒井忠恭の娘）
正室：絲子（伊渡子、池田重寛の娘）
長男：池田斉輝
女子：祐仙院（山内豊資正室）
側室：磯野
次女：金子（池田斉成正室、のち池田斉敏正室）
女子：睿姫（松平斉省継室）
養子：池田斉成（池田政芳の長男）
養子：池田斉敏（島津斉興の次男）

参考文献

宮内庁書陵部所蔵「華族系譜20」
大森映子『お家相続 大名家の苦闘』角川選書、2004年。ISBN 9784047033689

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