池田清 (政治学者)

池田 清（いけだ きよし）

池田清（1925年3月21日- 2006年4月3日）は、日本の海軍軍人から政治学者として活躍した人物である。海兵73期として日本の海軍に在籍し、最終階級は中尉であった。政治外交史を専門とし、東北大学の名誉教授として多くの業績を残した。

経歴

池田は鹿児島県に生まれた。1944年3月、海軍兵学校の73期を卒業後、重巡洋艦「摩耶」に配属され、砲術士としてレイテ沖海戦に参加した。戦闘中に「摩耶」が沈没したが、彼は戦艦「武蔵」に救助される。しかし「武蔵」もまた沈没し、池田は命をかろうじて救った。戦後は海軍潜水学校での訓練を経て、「伊四七潜」において砲術長兼通信長として勤務し、特攻艇“回天”の多聞隊に参加した。

戦後は公職追放を経験した後、歴史学の道を志すこととなる。1952年に東京大学法学部政治学科を卒業し、その後は大阪市立大学教授、さらに東北大学法学部教授に就任した。1988年には定年退官し、名誉教授の称号を授与され、その後は青山学院大学国際政治経済学部で教授として教鞭を取った。2000年に再び定年退職した。

なお、池田の左脚には戦時中の負傷によって、小弾片が今も残っているということである。彼の体験は戦争の苦しみを物語っている。

著書

池田清は学者として多くの著作を執筆しており、その中には戦争や海軍に関する様々なテーマが扱われている。例えば、1961年には『政治家の未来像　ジョセフ・チェムバレンとケア・ハーディー』を出版。また、1966年から1967年にかけては『日本の海軍』を上・下巻に分けて発表し、この著作は後に改訂版や新版も出版された。

1971年には『激闘 重巡・摩耶』という作品を執筆し、1981年には『海軍と日本』を発表。1998年には『最後の巡洋艦 矢矧』を上梓し、1996年には『「坂の上の雲」の主人公　秋山兄弟の生き方』が出版された。これは、日露戦争の名参謀についての考察を通じてリーダーシップに関する示唆を提供するものである。

さらに、彼は数多くの翻訳書も手がけており、1961年にキャサリン・コーリーの『軍隊と革命の技術』を共訳した。また、1976年から1979年にかけては、ジェイムズ・ジョルによる『ヨーロッパ100年史』を全2巻で翻訳し、その功績は評価されている。

池田清の業績は、日本の海軍史と国際政治の研究において重要な位置を占めており、彼の著作や教えは後世にわたって影響を与え続けている。

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