池田種徳

池田種徳（いけだ たねのり）

池田種徳は、1831年に安芸国（現在の広島県）に生まれ、幕末から明治にかけて活躍した人物です。幼名は徳太郎、雅号を快堂と称しました。医師の長男として生まれた種徳ですが、医術よりも儒学を好み、九州や江戸で学びました。特に九州では、広瀬淡窓や亀井陽州らに師事し、江戸では清河八郎などの志士と交流を深め、幕府から危険視され投獄されたこともありました。

幕末の動乱期

文久3年（1863年）には、徳川家茂の上洛を警護する浪士組の取締役となりますが、幕府に攘夷の意思がないことを悟り、浪士組を脱退しました。その後、広島藩に身を寄せ、藩士として国事に奔走しました。

明治維新後の活躍

明治維新後、種徳は新政府に出仕し、戊辰戦争では東北遊撃軍の参謀として各地を転戦しました。その後、地方官として常陸知県事、若森県権知事、新治県権令などを歴任し、地方行政に手腕を発揮しました。明治5年（1872年）には島根県権令に就任し、その後岩手県参事を務めました。晩年には青森県権令に就任しましたが、病に倒れ東京で療養するも、在任中にこの世を去りました。1874年のことでした。

死後

その功績を称え、1919年には正五位が追贈されました。

人物像

池田種徳は、幕末の動乱期から明治維新という激動の時代を駆け抜けた人物です。儒学を修め、志士として活動した一面と、地方官として行政に携わった一面を持ち合わせていました。その生涯は、激動の時代の中で、信念を持って生き抜いた人物として、後世に語り継がれるべきでしょう。

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
日本歴史学会編『明治維新人名辞典』吉川弘文館、1981年。
安岡昭男編『幕末維新大人名事典』上巻、新人物往来社、2010年。
大植四郎編『明治過去帳』新訂初版、東京美術、1971年（原著私家版1935年）。
内閣「贈位内申書 池田種徳（広島県）」明治43年。国立公文書館 請求番号：本館-2A-040-06・贈位00178100

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