沖港

沖港（おきこう）について

沖港は、東京都小笠原村の母島に位置する地方港湾であり、乙種港湾に分類されています。この港は、母島の南西部にある元地集落の近くだけでなく、村役場のある父島とを結ぶ定期船「ははじま丸」の発着地点でもあります。母島では「ははじま丸」が唯一外部との交通網であるため、沖港は島民にとって生活を維持するための非常に重要な施設です。さらに、周辺の海域では避難や休憩のための船舶の基地としても機能しています。

港の利用状況

2021年度には、沖港への発着数が2,285隻、総トン数は150,398トンに達しました。利用客数は22,019人で、これには乗船した人数11,015人と上陸した人数11,004人が含まれます。これは、この港がどれほど多くの人々に利用されているかを示しています。

港の歴史

沖港の歴史は、1968年に小笠原諸島がアメリカ合衆国から返還された際に始まります。当時、港には小さな突堤しかなく、艀が着岸することができる状態でした。このため、 港は早急な整備が求められ、1970年8月28日に東京都により地方港湾としての管理が始まりました。

1970年代には、突堤の補強工事や新たな岸壁、船揚場の完成が進められました。特に、1973年には岸壁が完成し、貨客船が接岸できるようになりました。その後も、1976年には船揚場が完成し、「第2弥栄丸」が就航するなど、徐々に港の機能が向上しました。

1979年には初代「ははじま丸」の就航が始まり、2016年には3代目「ははじま丸」が登場しました。このように、沖港は年月を経て島民の交通を支える重要な役割を担い続けています。

航路と運航スケジュール

沖港へは、伊豆諸島開発が運航する「ははじま丸」が、二見港（父島）と沖港の間をおおむね週5便運航しています。この航路のおかげで、母島と外部とのアクセスが確保されています。また、定期的でないが、不定期に貨物船「共勝丸」も運航しており、東京港（月島埠頭）から二見港を経由して沖港に向かいます。

港湾施設

沖港には、さまざまな港湾施設も整備されています。

• - 岸壁: 水深-5 m
• - 泊地: 水深-5 m
• - 防波堤: 船舶の安全を守る重要な役割を果たします。
• - 船客待合所: 母島観光協会が入居しており、訪れる観光客や島民のための案内所としても機能しています。
• - 物揚場: 貨物の積み卸しに利用されます。
• - 小型船溜まり: 小型船の利用者向けの施設です。
• - 緑地施設: 脇浜なぎさ公園は、海開きや盆踊り大会など様々なイベントの会場として使われています。

このように、沖港は母島の重要な交通の拠点であり、島民の生活を支えるために欠かせない存在です。その歴史や今後の発展が期待されます。

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