共勝丸

株式会社共勝丸について

株式会社共勝丸（きょうしょうまる）は、日本の本州、特に東京都と小笠原諸島（父島・母島）を結ぶ貨物船の「共勝丸」を運航しています。会社の本社は宮城県石巻市に位置しており、かつては多くの漁船や内航貨物船を所有していましたが、2022年現在では「共勝丸」のみを運航するに至っています。なお、実務を担当するのは東京営業所で、ここで運航スケジュールの問い合わせが受け付けられています。

歴史と運航内容

共勝丸は、東日本大震災の影響を受け、石巻の本社が流されるという苦境に直面しました。震災時には、社長が行方不明となり、その様子は公式ウェブサイト上でも一時報告されていました。さらに、船名については、1から順番に付けられているのではなく、都度命名される形をとっており、過去に運営されていた「第二十八共勝丸」は特に縁起の良い名前として知られています。

共勝丸の主な業務は、他の旅客船では運ぶことができないガソリンや建築資材などの危険物、及び島での消費用の燃料や廃棄物の運搬です。旅客営業は一時期行われていましたが、2014年頃から休止され、公式サイトでも現在は旅客営業を行わない旨が記載されています。ここ数年では、必要に応じて郵便物の輸送も行われていました。

船舶概要

共勝丸の主機は約2000馬力であり、貨物船としては十分に高出力を誇ります。しかし、通常の運航スピードは11ノット前後にとどまり、姉妹船である「おがさわら丸」が23ノット程度であるため、比較的遅い航行となります。東京と父島の間には46時間程度かかり、気象条件によっては遅延が生じる可能性もあります。

この船は2019年1月に営業を開始し、従来のライトブルーのカラーリングから、深い紺色とイエローグリーンに変更されました。船の大きさは前船とほぼ同じで、父島と母島で使用できる岸壁が限られているため、大きさが制約されています。

船のスペック

• - 総トン数: 325t
• - 全長×全幅: 64.64m × 10.5m
• - 航海速力: 最大14ノット
• - 主機関: ディーゼル

共勝丸では、客室も設けられていますが、現在は航行中の旅客営業は行っていないものの、2段ベッド式の定員4名の客室があります。船内には操舵室や食堂、事務室、浴室があり、乗組員が快適に航海できるように配慮されています。

最後に

株式会社共勝丸は、東京都と小笠原諸島を結ぶ重要な輸送手段として、現在も安定した貨物輸送を行っています。自然災害にもかかわらず復興を遂げ、運航の安定性や信頼性を保ちながら、地域経済に寄与している企業です。

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