沖縄刑務所

沖縄刑務所：歴史と現状

沖縄刑務所は、沖縄県南城市知念（旧島尻郡知念村）に位置する、法務省福岡矯正管区に属する刑務所です。南城市が市制施行される前は、日本で唯一、村にある刑務所として知られていました。

アクセス

那覇バスターミナルから南城市役所行きのバスに乗り、終点で同市巡回バス「Nバス」B系統に乗り換えます。「沖縄刑務所前」バス停下車が最寄りの停留所です。那覇バスターミナルから南城市役所までは、沖縄バスと東陽バスが共同運行しています。

収容状況

沖縄刑務所は、F級、I級、YA級、YB級、A級、B級、M級、P級と幅広い分類の受刑者を収容しています。外国人、禁固刑受刑者、若年者、初犯者、再犯者、心身障害者など、多様な受刑者の受け入れ体制を整えています。ただし、アメリカ統治下や日本復帰直後には、女性受刑者の収容も行われていた時期もありました。現在の収容定員は319名です。

歴史

沖縄刑務所の歴史は古く、明治12年（1879年）10月には沖縄県監獄署として設立されました。その後、明治36年（1903年）10月に司法省に移管され沖縄監獄となり、大正11年（1922年）10月には沖縄刑務所と改称されました。

太平洋戦争中の昭和19年（1944年）には、戦局の悪化により、受刑者の一部を鹿児島刑務所や熊本刑務所へ移送しました。そして、昭和20年（1945年）5月の沖縄戦では機能停止に陥り、残っていた受刑者27名が解放されました。

戦後、昭和21年（1946年）5月には佐敷村（現在の南城市）に沖縄中央刑務所が設置され、昭和25年（1950年）8月には沖縄刑務所と改称して、戦前の旧沖縄刑務所跡（那覇市楚辺）に移転しました。昭和27年（1952年）4月の琉球政府発足後は、法務局の管轄となり、昭和29年（1954年）11月には沖縄刑務所暴動が発生するという出来事がありました。

昭和47年（1972年）5月の日本復帰に伴い、法務省の管轄に戻り、昭和54年（1979年）3月には現在の知念村（現在の南城市）に移転しました。

組織

沖縄刑務所の組織は、所長の下に総務部（庶務課、会計課、用度課）、処遇部（処遇担当、企画担当）、医務課の2部1課制となっています。

著名な受刑者

沖縄刑務所には、過去に瀬長亀次郎氏（政治家）、羽賀研二氏（元タレント）、喜納昌吉氏（歌手）など、著名な受刑者が収容されていたことがあります。

ハブ会

「ハブ会」は、沖縄県出身の職員で構成される互助会でしたが、国家公務員法108条の2第5項に抵触する労働組合的活動を行っていたため、1994年の「押しボタンシステム」導入反対運動をきっかけに、当局によって活動が規制されました。

まとめ

沖縄刑務所は、長い歴史と、多様な受刑者を抱える、沖縄を代表する刑務所です。その歴史は、沖縄の社会情勢や変遷を反映しており、今後も沖縄の社会問題を考える上で重要な存在であり続けるでしょう。

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