沖縄外国語学校

沖縄外国語学校は、1946年9月に設立された翻訳官および通訳官の養成を目的とした教育機関です。当初は沖縄文教学校の外語部としてその歩みを始めましたが、後に独立し、独自の学校として運営されることとなりました。

設立当初、学校には「初等学校教官英語訓練科」と「速成科」の2つの学科が設けられていました。これらの学科は、それぞれ3ヶ月と6ヶ月という短期間で集中的な英語教育を行うことを特徴としており、当時の社会情勢が求める即戦力となる人材の育成を目指していました。各学科の修了者には、翻訳官や通訳官としての能力を証明する認定書が授与され、その後のキャリア形成を支援していました。

1948年には、更なる教育体制の拡充を図るため、本科が新設されました。また、本校だけでなく、名護にも分校が設立され、より多くの学生が高度な英語教育を受ける機会が提供されました。この分校の設立は、沖縄県内における英語教育の普及と人材育成に大きく貢献しました。

しかし、1950年に琉球大学が開学したことに伴い、沖縄外国語学校はその役割を終え、琉球大学に吸収される形で閉校となりました。短期間ながらも、沖縄における英語教育の発展に重要な役割を果たした学校であり、多くの翻訳官・通訳官を輩出した実績は、今日においても高く評価されています。

特筆すべき著名な出身者としては、後に参議院議員や沖縄県知事を務めた大田昌秀氏が挙げられます。彼の存在は、沖縄外国語学校が単なる語学教育機関に留まらず、沖縄の政治や社会を支える人材を育成する場でもあったことを示しています。

関連事項としては、学校が設立された当時の社会背景を理解する上で、琉球列島米国軍政府や沖縄民政府、そして沖縄文教学校の歴史を考慮することが重要です。また、沖縄外国語学校を吸収した琉球大学についても、その設立経緯や役割を理解することで、沖縄の教育史における沖縄外国語学校の位置づけをより深く理解することができます。

沖縄外国語学校は、その短い歴史の中で、沖縄の戦後復興期における国際交流や行政運営を支える人材育成に大きく貢献しました。その教育理念と実践は、現代においても学ぶべき点が多く、歴史的な教育機関として、その名は記憶されるべきでしょう。

もう一度検索