沖縄文教学校

沖縄文教学校

沖縄文教学校は、1946年1月、沖縄戦後の混乱期に具志川村（現在のうるま市）田場に開設された、沖縄初の教員養成機関です。この学校は、米軍の指示によって設立され、本土に先駆けて男女共学制を採用したことが特徴です。

設立と初期の構成

開校当初、沖縄文教学校は「師範部」「外語部」「農林部」の3つの部門で構成されていました。しかし、「外語部」は後に沖縄外国語学校として独立、「農林部」は現在の沖縄県立中部農林高等学校へと発展しました。これにより、学校は教員養成に特化した機関へと変貌を遂げました。

修業期間と教員免許

修業期間は、当初の2ヶ月から始まり、2期生では4ヶ月、3期生では6ヶ月と段階的に延長されました。これは、教員としての質を高めるための措置と考えられます。修了者には教員免許が付与され、卒業後1年間は教員として勤務することが義務付けられていました。

琉球大学への統合

1950年、沖縄文教学校は新設された琉球大学に吸収される形でその役割を終えました。これにより、沖縄の教育機関は新たな段階へと進むことになります。

著名な出身者

沖縄文教学校は多くの人材を輩出しました。著名な出身者としては、以下の人物が挙げられます。

大田昌秀：参議院議員、元沖縄県知事
石嶺伝郎：画家、新生美術協会員

関連事項

沖縄文教学校は、戦後の沖縄における教育復興の象徴であり、以下の関連事項と深く関わっています。

琉球列島米国軍政府
沖縄諮詢会
沖縄民政府
沖縄外国語学校
琉球大学

まとめ

沖縄文教学校は、戦後の困難な状況下で沖縄の教育を支えた重要な機関でした。その短い歴史の中で、多くの教員を養成し、沖縄の教育基盤の確立に大きく貢献しました。また、この学校の設立と運営は、戦後の沖縄における教育のあり方を考える上で重要な事例と言えるでしょう。

参考資料

琉球新報社編『ことばに見る沖縄戦後史』pp101-107「文教学校」、ニライ社、1992年3月
『沖縄文教学校の開設』公評44巻8号pp64-71、2007年9月
琉球大学「創立前史」『十周年記念誌』琉球大学、1961年、22-23頁。

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