河合弘之

河合弘之

河合弘之（かわい ひろゆき、1944年4月18日 - ）は、日本の弁護士。ビジネス法務を専門とし、数々の大型経済事件に関与したことで知られる。近年は脱原発運動の先頭にも立っている。

経歴

旧満洲国新京市（現在の中国長春市）で生まれた。桐朋高等学校を経て、1967年に東京大学法学部在学中に司法試験に合格。翌年、東京大学法学部を卒業した。1970年4月に弁護士登録を行い、さくら共同法律事務所の所長を務める。弁護士としてのキャリア初期には、社会派弁護士として過激派や労働組合の弁護活動を行っていたが、その後、企業弁護士へと転身した。

ダグラス・グラマン事件を皮切りに、平和相互銀行事件、リッカーミシン事件、政界金屏風事件、ライフ・忠実屋・いなげや仕手戦、つぼ八乗っ取り事件、国際航業仕手戦、イトマン事件など、数々の著名な経済事件を手がけた。当時、河合は「着手金や成功報酬を支払うなら弁護してやる。それが河合流だと思っていました。僕は弁護士になったのは大活躍するため」と語っていた。ダイエー、秀和、イトマン、小谷光浩、国際航業、横井英樹、なかにし礼、中内㓛、太平洋クラブ、慶屋、ホテルニュージャパン、麦島善光など、多くの企業の顧問も務めた。

主な担当事件

ダグラス・グラマン事件
平和相互銀行事件
忠実屋・いなげや事件
イトマン事件
光進事件
東京協和信用組合､安全信用組合事件
太平洋クラブ破綻事件
ロッテ・グリコ比較広告事件
福岡ドーム事件
蛇の目ミシン工業事件
スルガ銀行不正融資事件
熱海市伊豆山土石流災害

社会活動

1990年代に入ると、高木仁三郎の影響を受け、脱原発運動に本格的に取り組むようになった。全国各地で原発の稼働差し止め訴訟を引き受け、東日本大震災後は「脱原発弁護団全国連絡会」（脱原弁連）の共同代表に就任した。また、海渡雄一（社民党首・福島瑞穂の夫）とともに反原発映画を製作するなど、多岐にわたる活動を展開している。

浜岡原発差止訴訟弁護団長、大間原発差止訴訟弁護団共同代表、脱原発弁護団全国連絡会共同代表、3・11甲状腺がん子ども基金理事、ヒロシマ被爆者団体員、中国残留孤児の国籍取得を支援する会会長、フィリピン日系人リーガルサポートセンター代表理事、環境エネルギー政策研究所監事など、数多くの要職を歴任している。

著書

『欠陥だらけの法常識』広済堂ブックス 1975
『破産宣告』日刊工業新聞社 ウイークエンドブックス　1979
『弁護士という職業』三一新書　1982（絶版）
『商法の本――田中君が会社のことがほんとうにわかった』ごま書房 これだけは身につけておきたい入門シリーズ 1993
『原発訴訟が社会を変える』集英社新書 2015
『東電株主代表訴訟――原発事故の経営責任を問う』現代人文社 2012（編著）
（大下英治）『脱原発』青志社 2011（共著）
（FUKUSHIMAプロジェクト委員会、水野博之、山口栄一、西村吉雄、飯尾俊二、仲森智博、川口盛之助、本田康二郎）『FUKUSHIMAレポート――原発事故の本質』日経BPコンサルティング 2012（共著）
（小出裕章、海渡雄一、島田広、中嶌哲演）『動かすな、原発。――大飯原発地裁判決からの出発』岩波ブックレット 2014（共著）
（海渡雄一、原発事故情報公開原告団弁護団）『朝日新聞「吉田調書報道」は誤報ではない――隠された原発情報との闘い』彩流社 2015（共著）

関連書籍

大下英治『逆襲弁護士 河合弘之』さくら舎 2013年

映画

「日本と原発 私たちは原発で幸せですか?」（2014年） - 監督、構成:海渡雄一、作曲:新垣隆
「日本と原発 4年後」（2015年） - 監督、構成:海渡雄一、作曲:新垣隆
「日本と再生 光と風のギガワット作戦」（2017年） - 監督・製作・出演を担当、構成:海渡雄一、作曲:新垣隆・坂本龍一
「日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人」（2020年） - 企画・製作を担当
「原発をとめた裁判長 そして原発を止める農家たち」（2022年）-出演

外部リンク

* さくら共同法律事務所　弁護士河合弘之

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