河州 (甘粛省)

河州（かしゅう）の歴史

河州は、中国にかつて存在した州であり、現在の甘粛省臨夏回族自治州一帯に位置していました。その歴史は五胡十六国時代に始まり、民国初年まで続きました。時代とともにその名称や管轄地域は変化しましたが、一貫して重要な行政区画として機能しました。

魏晋南北朝時代

河州の歴史は、前涼の時代に涼州から8つの郡を分割して設置されたことに始まります。具体的には、興晋郡、金城郡、武始郡、南安郡、永晋郡、大夏郡、武成郡、漢中郡がその分割対象となりました。河州刺史は枹罕（ほうかん）に駐屯し、この地域を統治しました。

445年、北魏は枹罕鎮を設置し、その後、445年に枹罕鎮は河州と改称されました。この時の河州は、金城郡、武始郡、洪和郡、臨洮郡の4郡と11県を管轄しました。

隋代

隋代に入ると、河州は1郡3県を管轄するようになりました。583年、隋が郡制を廃止した際、河州の属郡であった枹罕郡も廃止されました。しかし、605年には岷州から水池県が移管され、607年には州が廃止されて郡が置かれると、河州は枹罕郡と改称され、4県を管轄しました。隋代の行政区分は以下の通りです。

唐代

619年、唐が李軌を平定すると、枹罕郡は再び河州と改称されました。742年には、河州は安郷郡と改称されましたが、758年には再び河州の名称に戻りました。唐代の河州は隴右道に属し、枹罕、大夏、鳳林の3県を管轄しました。

宋代

北宋時代には、河州は秦鳳路に属し、寧河県、定羌城、南川砦、東谷、閻精、西原、北河の4堡、そして通会関を管轄しました。金代には、河州は臨洮路に属し、枹罕、寧河の2県、安郷関、南川寨、通会関、定羌城、そして積慶鎮を管轄しました。

元代

元代になると、河州は河州路に昇格しました。河州路は陝西等処行中書省に属し、定羌、寧河、安郷の3県を管轄しました。

明代以降

1371年、明によって河州路は河州衛と改められました。その後、1373年には河州府が置かれましたが、1377年には河州衛は左右に分割されました。1379年には河州府は廃止され、河州左衛は洮州衛に改められ、河州右衛は軍民指揮使司となりました。

1473年、河州が再び設置され、臨洮府に属しました。また、軍民指揮使司が河州衛と改称されました。1738年、清によって臨洮府は蘭州府と改称されましたが、河州は蘭州府に属し、属県を持たない散州となりました。

1912年、中華民国によって河州は廃止され、導河県と改称され、その歴史に幕を閉じました。

河州は、その歴史を通じて行政区画としてだけでなく、地域の文化や経済の中心としても重要な役割を果たしました。各時代の政治的な変動や社会情勢を反映し、その変遷は中国の歴史を理解する上で貴重な資料となります。

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