河村哲二

河村哲二について

河村哲二（かわむら てつじ）は、1951年生まれの日本の経済学者です。法政大学の名誉教授であり、経済理論学会の前代表幹事も務めました。彼の専門分野は、理論経済学（政治経済学、マルクス経済学、制度派経済学）、アメリカ経済論、グローバル経済論と多岐にわたります。

来歴

群馬県出身の河村氏は、群馬県立沼田高等学校を卒業後、1975年に東京大学経済学部経済学科を卒業しました。その後、1980年に東京大学大学院経済学研究科博士課程を単位取得満期退学し、1994年には東京大学から経済学博士号を授与されました。博士論文のテーマは「第二次世界大戦アメリカ戦時経済論―「戦時高蓄積」構造と戦後の「持続的成長」構造：戦後景気循環の変容をめぐって」であり、アメリカ経済に関する深い洞察を示しています。

河村氏は、帝京大学経済学部教授、武蔵大学経済学部教授を経て、2005年4月より法政大学経済学部教授に就任しました。2022年4月からは同大学の名誉教授となっています。また、マサチューセッツ大学アマースト校経済学部の客員准教授（1983-85年、フルブライト・プログラム）、武蔵大学総合研究所所長（2001-03年度）、法政大学大学院経済学研究科長（2009-10年度）、法政大学サステイナビリティ研究教育機構研究企画委員長（2009-2013年）、マサチューセッツ大学アマースト校経済学部の客員教授（2013-2015年）など、数多くの要職を歴任しました。さらに、2016年4月から2022年3月までは経済理論学会の代表幹事を務め、学会の発展に尽力しました。アメリカ学会、アメリカ経済史学会、政治経済学・経済史学会にも所属し、学術的な活動を幅広く行っています。

研究分野と業績

河村氏の研究は、特にアメリカ経済の歴史的分析と、グローバル経済における資本主義の変容に焦点を当てています。彼の研究は、第二次世界大戦期のアメリカ経済の構造と、戦後の経済成長との関係を深く掘り下げています。また、グローバル化が進む現代において、アメリカ経済がどのように変化してきたのか、そしてそれが世界経済にどのような影響を与えているのかを分析しています。

河村氏は、その研究成果を多数の著書や論文として発表しており、学術界に大きな貢献をしています。彼の著書は、経済学の研究者だけでなく、一般の読者にとっても、現代経済の理解を深める上で貴重な資料となっています。

主な著書

河村氏の主な著書には、以下のようなものがあります。

単著
『パックス・アメリカーナの形成－アメリカ「戦時経済システム」の分析』（東洋経済新報社、1995年）
『第二次大戦期アメリカ戦時経済の研究―「戦時経済システム」の形成と「大不況」からの脱却過程』（御茶の水書房、1998年）
『現代アメリカ経済』（有斐閣、2003年）
編著
『グローバル金融危機の衝撃と新興経済の変貌： 中国、インド、ブラジル、メキシコ、東南アジア』ナカニシヤ出版、2018年。
『持続可能な未来の探求――「3.11」を超えて』（共編著・監訳）御茶の水書房、2014年。
『「3.11」からの再生――三陸の港町・漁村の価値と可能性』（共編著）御茶の水書房、2013年。
『3.11から一年――近現代を問い直す言説の構築に向けて』（共編著）御茶の水書房、2012年。
『Hybrid Factories in the United States under the Global Economy』, Oxford University Press, 2011.
『グローバル経済下のアメリカ日系工場』 東洋経済新報社、2005年。
『制度と組織の経済学』日本評論社、1996年。
『現代世界経済システム―変容と転換』（共編著）東洋経済新報社、1995年。
共著
『グローバル資本主義と段階論』（御茶の水書房、2016年）
『グローバル資本主義の変容と中心部経済』（日本経済評論社、2015年）
『グローバル資本主義と新興経済』（日本経済評論社、2015年）
『増補新版 現代の解読――グローバル資本主義と日本経済』御茶の水書房、2013年。
『現代経済の解読―グローバル資本主義と日本経済』御茶の水書房、2010年。
（弘兼憲史）『知識ゼロからのアメリカ経済入門』（幻冬舎、2009年）
『グローバル資本主義と景気循環』（御茶の水書房、2008年）
『グローバル資本主義と企業システムの変容』（御茶の水書房、2006年）
『グローバル資本主義と世界編成・国民国家システムⅠ 世界経済の構造と動態』（御茶の水書房、2003年）
『アメリカに生きる日本的生産システム』東洋経済新報社、1991年
『Local Production of Japanese Automobile and Electronics Firms in the United States』, The Institute of Social Science, University of Tokyo, 1990.

その他、多数の共著書があります。

河村哲二の研究は、アメリカ経済とグローバル経済の動向を理解する上で、欠かせないものとなっています。

参考文献

「河村哲二教授 略歴・業績一覧」『経済志林』第89巻第2号、法政大学経済学部学会、2022年3月、9-39頁

外部リンク

河村哲二ホームページ
河村哲二 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
論文一覧（KAKEN、CiNii）
河村哲二 - J-GLOBAL
* 河村哲二 - researchmap

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