河東郡 (中国)

河東郡（かとうぐん）

河東郡は、中国にかつて存在した郡で、現在の山西省南部に位置していました。秦の時代に設置されてから、隋、唐の時代まで、その名を変え、形を変えながら歴史を刻みました。

歴史

秦代

秦の時代に河東郡が初めて設置されました。郡の行政の中心地である郡治は、安邑に置かれました。

前漢

前漢の時代には、河東郡は24もの県を管轄する広大な郡でした。その管轄下には、安邑、大陽、猗氏、解、蒲反、河北、左邑、汾陰、聞喜、濩沢、端氏、臨汾、垣、皮氏、長修、平陽、襄陵、彘、楊、北屈、蒲子、絳、狐讘、騏といった県が含まれていました。しかし、王莽の時代になると、一時的に兆陽郡と改称されました。

後漢

後漢が成立すると、郡名は再び河東郡に戻されました。管轄する県は20県に減少し、安邑、楊、平陽、臨汾、汾陰、蒲坂、大陽、解、皮氏、聞喜、絳、永安、河北、猗氏、垣、襄陵、北屈、蒲子、濩沢、端氏がその下に置かれました。

晋

晋の時代には、河東郡の規模はさらに縮小し、安邑、聞喜、垣、汾陰、大陽、猗氏、解、蒲坂、河北の9県を管轄しました。

北魏

北魏の時代になると、河東郡は安定、蒲坂、南解、北解、猗氏の5県を管轄するまでになりました。

北周

北周の時代には、河東郡は蒲州に属する郡となりました。

隋

583年（開皇3年）、隋が郡制を廃止した際、河東郡も廃止され、蒲州に編入されました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止され郡が再び置かれると、蒲州が河東郡と改称されました。この時、河東郡は河東、桑泉、汾陰、竜門、芮城、安邑、夏、河北、猗氏、虞郷の10県を管轄しました。

唐

618年（武徳元年）、唐の時代になると、河東郡は再び蒲州と改められ、河東、桑泉、猗氏、虞郷の4県を管轄しました。742年（天宝元年）には、蒲州が再び河東郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には河東郡は蒲州と改称され、河東郡という名前は歴史から姿を消しました。

河東郡は、その時代ごとに様々な変遷を経験し、中国の地方行政制度の歴史を物語る存在と言えるでしょう。

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