河野満

河野 満について

河野 満（こうの みつる、1946年9月13日生まれ）は、日本を代表する卓球選手であり、その輝かしいキャリアの中で1977年の第34回世界卓球選手権バーミンガム大会で優勝を果たしました。彼は青森県十和田市出身で、現在は青森大学卓球部の監督として後進の指導に当たっています。

プレースタイル

彼のプレースタイルは非常に独特で、早い打点を捉えることができるペンホルダーおよび表ソフトの両ハンド速攻型です。特に、力強いフォアハンドに加え、豊富なバックハンドのバリエーションを持ち、ペンホルダー選手がよく直面するバックハンド系技術の弱点をほぼ完璧に克服しています。河野選手は、両ハンドでのサービスが非常に威力を持ち、打球直前までコースが分かりづらい逆モーションを用いることで、対戦相手を翻弄する技術に秀でています。

さらにドライブ型選手が放つパワードライブのボールを、台上で2バウンドするほど小さく止める技術を持っており、これらのスキルは彼を世界の頂点に立たせました。元日本代表の前原正浩は、1997年の『卓球レポート』にて河野選手のスタイルを「どの時代でも通用するプレースタイル」と絶賛し、自身が彼との決勝で敗れた経験を振り返り、その強さを再認識していると語っています。中国卓球ナショナルチームにおいても、河野選手とワルドナー選手だけはコピーできないプレースタイルと評価されました。ワルドナーは「自分が手本にしたプレイヤーは王会元選手と河野選手である」と述べています。

経歴

河野満は青森県十和田市の運動具店に生まれました。青森商業高校に進学し、そこで全日本卓球選手権大会ジュニアの部で優勝を果たしました。1967年に専修大学に入学し、同年開催された第29回世界卓球選手権ストックホルム大会で初出場し、男子シングルス決勝に進出しましたが、長谷川信彦に逆転負けし準優勝となりました。

大学卒業後、河野選手は練習環境が整った職場を探し、出版社などを経て青森県教育委員会保健体育課の技術指導員として活動を始めました。1975年の第33回世界卓球選手権カルカッタ大会ではイストバン・ヨニエルに敗れるも、1977年には第34回世界卓球選手権バーミンガム大会で男子シングルス決勝に進出し、郭躍華を3-1で破り、ついに世界チャンピオンに輝きました。この勝利は、日本選手の男子シングルスでの優勝が第30回世界卓球選手権の伊藤繁雄以来の快挙でした。

河野選手は1967年から1977年までの6大会連続で世界選手権に出場し、団体戦でも1967年と1969年には優勝に貢献しました。また、男子ダブルスや混合ダブルスでも数々の好成績を残しました。1977年の世界選手権および全日本選手権優勝を経て彼は選手としてのキャリアを終え、母校である青森商業高校の卓球部監督として指導に専念しました。その後、香港国際卓球大会に参加せず、選手団団長が語ったように、健康上の問題があったとされます。

河野満選手は、卓球界において重要な人物であり、彼の技術や戦略は今なお多くの選手に影響を与え続けています。

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