泉田純

泉田純：波瀾万丈のレスラー人生

1965年生まれの泉田純は、宮城県出身。高校時代は相撲部に所属し、その後、東京農業大学を中退して大相撲の東関部屋に入門しました。高見将、青雲龍、武蔵海と四股名を変更しながら幕下まで昇進。曙太郎の指導に当たるなど、相撲教習所での教官も経験しました。121勝103敗7休の成績を残し、1991年に引退。大相撲時代には、後に幕内優勝を果たす曙に花束を贈呈したエピソードも残っています。

大相撲引退後は、間もなく全日本プロレスへ入門。練習生時代からその存在感を示し、1992年にデビュー。デビュー戦ではジャイアント馬場、ラッシャー木村とタッグを組みました。独特の「尺取虫戦法」で話題を集め、リングネームも泉田竜舞、泉田竜角を経て本名の泉田純に落ち着きました。全日本プロレスでは、馬場の5000試合目の相手として選ばれたり、川田利明の復帰戦の相手として予定されたりと、重要な役割を担っていました。1998年には本田多聞と「ザ・ヘッド・バッターズ」を結成し、アジアタッグ王座を獲得。ジャイアント・キマラとのタッグでは、キマラに合わせてペイントレスラーとして活動し、対戦相手やイベントに合わせてペイントを変えるこだわりも見せました。

2000年には、全日本プロレスの大量離脱騒動に伴い、プロレスリング・ノアへ移籍。2002年には一宮章一と組んでIWA世界タッグ王座を獲得しました。ノアでは、秋山準から「健康維持のためにプロレスをやっている人たち」と酷評されるなど、苦しい時期もありましたが、「勝ったら軍団入り決定マッチ」で勝利し、秋山率いるスターネス入りを果たしました。ノアの選手会会長を務めた時期もあり、女子プロレスラーの下田美馬への「プロポーズ」で話題を呼びました。リングネームを純至に変更し、小橋健太とタッグを組んで曙と対戦するなど、数々の試合を経験しました。

スターネスに所属後、IZU（イズ）というペイントレスラーとしても活動。土曜日の興業に多く登場したことから「土曜日の怪人」と呼ばれました。2007年には秋山に反旗を翻し、スターネスを離脱、橋と「チーム・成り上がり」を結成しましたが、その後解散しました。

2009年末にノアを退団し、フリー選手となります。リアルジャパンプロレスなどに参戦し、リングネームを泉田純寿、泉田純佑、泉田純太朗と変えながら活動を続けました。2012年には、自身の経験に基づいたノアに関する暴露本を出版。これにより、ノアの幹部が降格処分となる事態を招きました。

私生活では、週刊プロレス誌上で秋山がお見合い相手を募集する企画に参加するなど、飾らない人柄が伺えます。釣り好きとして知られ、「ノア・サーフクラブ」のメンバーでもありました。「徳光&所のスポーツえらい人グランプリ」では、スーパーアンパンマンショーのバイキンマン役として活躍したエピソードも。

泉田純は、礼儀正しく、後輩への指導にも熱心な一面も持ち合わせていました。2017年1月25日頃、心筋梗塞のため51歳で急逝。その死は、プロレス界以外の人物を通じて伝えられたため、公にされるのが遅れたという経緯があります。

彼のプロレス人生は、大相撲時代からフリー転向後まで、常に変化に富み、多くの伝説と記憶を残しました。ヘッドバットを武器とした闘いぶり、そして人間味あふれるエピソードの数々は、プロレスファンに長く語り継がれることでしょう。得意技はヘッドバット、隕石、ノリタケ、不入ドムなど。全日本プロレスでアジアタッグ王座、IWA・JAPANでIWA世界タッグ王座を獲得しています。また、度々リングネームを変更し、IZUとしても活動したことも特筆すべき点です。晩年は、占い師の助言を仰ぎながら活動をしていました。

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