ジャイアント・キマラ

ジャイアント・キマラ：アメリカと日本のリングを駆け抜けた大型プロレスラー

ジャイアント・キマラ。その名は、アメリカと日本のプロレスファンの記憶に強く刻まれている。本名ベンジャミン・ピーコック。1964年2月19日、アメリカ合衆国ジョージア州メイコン生まれ。リング上では、アフリカ・ボツワナ共和国出身という設定で、圧倒的な体格とパワフルなファイトスタイルで観客を魅了した。

アメリカでは「ボツワナ・ビースト」のリングネームで活躍。1986年、ジョージア地区でデビューを果たす。1987年にはディープ・サウスヘビー級王座を獲得。その後、WWFやWCWといったメジャー団体での活動を経て、日本へ渡る。

日本のプロレスシーンでジャイアント・キマラという名を一躍有名にしたのは、全日本プロレスでの活躍だ。1990年、悪名高いヒール、アブドーラ・ザ・ブッチャーのパートナーとして初来日。当時、全日本プロレスには初代ジャイアント・キマラ（カマラとして知られるジム・ハリス）がいたため、彼は「ジャイアント・キマラ2号」を名乗った。翌1991年には、初代キマラとタッグを組み、「アフリカ軍団」を結成。ブッチャーを加えた3人で、日本のプロレスファンを震撼させた。

初代キマラが日本から撤退した後、彼はリングネームを「ジャイアント・キマラ」に改名。その後、ブッチャーが東京プロレスに移籍すると、泉田純と新たなタッグを結成。息の合ったコンビネーションと豪快なファイトで人気を博し、全日本プロレスの名物タッグチームとして存在感を示した。

世界最強タッグ決定リーグ戦にも、ブッチャーや泉田とのコンビ、そして異色の組み合わせであるゲーリー・オブライトとのタッグで幾度となく出場。その一方で、悪役商会の一員として、ファミリー軍団との抗争にも深く関与した。リング内外で、プロレスラーとしての存在感を示し続けたのだ。

日本での活躍後、ジャイアント・キマラはECW（エクストリーム・チャンピオンシップ・レスリング）にも参戦。ウガンダ出身のレスラーという設定で、再び新たなファンの獲得に成功する。2004年からはIWA・JAPANに参戦し、キャリア晩年まで日本のマットで闘い続けた。

彼の得意技は、ウガンダン・スプラッシュ、スチームローラー、ネックブリーカー・ドロップ、ドロップキックなど。巨体を活かしたパワフルな攻撃は、多くの対戦相手に脅威を与えた。

ジャイアント・キマラは、初代ジャイアント・キマラとは全くの別人。しかし、その圧倒的な存在感と、アメリカと日本という異なるプロレス文化圏での成功は、彼をプロレス史上に残る個性的なレスラーとして位置づけている。そのキャリアは、日本のプロレスファンの記憶に、大きな足跡を残したと言えるだろう。

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