IWA・JAPAN

I.W.A.JAPAN：日本のプロレス団体史に刻まれた足跡

1994年、日本のプロレス界に新たな旋風が巻き起こった。W★INGプロモーションからの独立を機に、ビクター・キニョネスによって設立されたI.W.A.JAPAN（インターナショナル・レスリング・アソシエーション・ジャパン）である。キニョネスはW★INGでマネージャーとして活躍していたが、代表との衝突をきっかけに袂を分かち、経営難に陥っていたW★INGの残された選手たちを救済しようと、IWAジャパンを設立した。

キニョネス体制と初期の活躍

旗揚げ戦は後楽園ホールで行われ、荒谷信孝や金村ゆきひろといった日本人エースとキニョネスがブッキングした数々の外国人レスラーがしのぎを削った。NWAへの加盟や川崎球場大会開催など、団体は順調に発展を遂げていくかに見えたが、内部のトラブルや選手の離脱なども相次ぎ、1996年にはキニョネスが代表を辞任。苦境に立たされることになる。

山田圭介体制とECWとの提携

1996年10月、山田圭介が代表に就任。WWFで極東担当を務めていた佐藤昭雄を専務取締役として迎え入れ、さらにECW（エクストリーム・チャンピオンシップ・レスリング）との業務提携を発表。レイヴェンやトミー・ドリーマーといったECWのスター選手たちが参戦し、団体は再び活気を取り戻すかに思われた。しかし、佐藤の退社や主力選手である「真FMW軍」の離脱など、新たな困難が待ち受けていた。

浅野起州体制とUMA軍団

1999年、浅野起州がオーナーに就任。存続の危機を幾度となく乗り越え、小規模会場をメインに活動を継続。他団体との交流も盛んに行い、独特のスタイルを確立していく。特に、謎の集団「UMA軍団」をフィーチャーしたコミカルなプロレススタイルはIWAジャパン独自の魅力として人気を集めた。東日本大震災の復興支援イベント開催や、浅野の還暦を祝う「金六〇祭」など、地域に根差した活動も積極的に行っていた。

解散と浅野起州の死去

2014年、浅野の体調不良を理由にIWAジャパンは活動休止を発表。その後もUMA軍団のマネジメントは継続していたが、2024年10月、正式に解散を発表した。約30年に渡る歴史に幕を閉じたことになる。同年11月、浅野起州は病気のため逝去。享年72歳だった。

IWAジャパンを彩ったレスラーたち

IWAジャパンには、ザ・グレート・カブキ、荒谷信孝、中牧昭二といった日本のプロレス界を代表する選手たちが所属していたほか、アブドーラ・ザ・ブッチャー、キングコング・バンディ、スティーブ・ウィリアムス、レイヴェンなど数々のスター外国人レスラーも参戦した。その豪華な顔ぶれも、IWAジャパンの魅力の一つであった。

UMA軍団：IWAジャパンの異質な存在

2008年に登場したUMA軍団は、IWAジャパンを象徴する存在と言えるだろう。未確認生物をモチーフにしたレスラーたちが繰り広げる独特のスタイルは、プロレス界において異質な存在感を放っていた。UMA軍団は、IWAジャパン解散後も、何らかの形で活動を継続していく可能性がある。

まとめ

IWAジャパンは、その歴史において様々な困難に直面しながらも、独自のスタイルと魅力で多くのファンを魅了した日本のプロレス団体であった。解散は残念だが、その歴史と功績は、日本のプロレス史に永遠に刻まれるだろう。多くのレスラー、スタッフ、そしてファンによって紡がれた30年間の歴史は、日本のプロレス界に大きな足跡を残したと言えるだろう。 IWAジャパンの活動休止後も、UMA軍団のマネジメントを継続していたことや、浅野起州が経営していた飲食店「お食事処 花膳」なども、IWAジャパンが日本のプロレス界、ひいては地域社会に及ぼした影響の大きさを示している。 彼らの活動は、日本のプロレス史に新たな一ページを刻んだと言えるだろう。

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