泊武治

泊武治（とまり たけじ）

泊武治は、1889年（明治22年）3月25日に生まれ、1953年（昭和28年）2月20日に亡くなった日本の官僚です。内務省を中心に活躍し、高知県知事や台湾総督府交通局総長などの要職を歴任しました。また、戦時中は陸軍司政長官を務めました。

生い立ちと学歴

泊武治は、石川県出身で、泊宗平の五男として生まれました。第四高等学校を卒業後、1914年11月には文官高等試験行政科試験に合格し、官僚としての道を歩み始めます。1915年には東京帝国大学法科大学法律学科（独法）を卒業し、法律の専門知識を身につけました。

内務官僚としてのキャリア

大学卒業後、三井鉱山での勤務を経て、1916年に内務省に入省し、北海道庁属となります。その後、北海道庁警視、警視庁警視、同理事官などの役職を歴任し、警察官僚としてのキャリアを積みました。さらに、島根県、徳島県、長野県、和歌山県、京都府、大阪府などで書記官や警察部長、内務部長を歴任し、地方行政にも深く関わりました。

高知県知事と台湾総督府

1935年1月15日には、高知県知事に就任し、産業振興に尽力しました。その後、1936年10月16日には台湾総督府交通局総長に転任し、台湾の交通行政に携わりました。1940年12月3日に依願免本官となり、一旦官界を退いています。

戦時中の活動

1942年2月には陸軍省嘱託となり、同月6日には香港占領地総督部総務長官に就任しました。同年6月6日には陸軍司政長官に発令され、香港の占領行政を担いました。しかし、1944年8月1日には香港占領地総督部総務長官を退任し、同年9月9日には陸軍司政長官も依願免本官となりました。

戦後と家族

戦後、泊武治は公職追放の対象となりました。妻のフサは光行次郎の長女です。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
人事興信所編『人事興信録』第14版 下、1943年。
内閣「陸軍省事務嘱託泊武治勅任官待遇ノ件」昭和17年。国立公文書館 請求番号：本館-2A-021-00・任Ｂ03093100

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