光行次郎

光行次郎（みつゆき じろう）は、明治6年（1873年）1月20日に佐賀県で生まれ、昭和20年（1945年）8月6日に生涯を閉じた日本の検察官、政治家です。彼は、検事総長や貴族院議員を歴任しました。

経歴

1902年、光行は東京帝国大学法学部英法科を卒業後、司法省に入省しました。その後、司法省人事局長、大阪控訴院検事長、東京控訴院検事長といった要職を歴任し、1935年には検事総長に就任しました。

しかし、1936年に発生した二・二六事件において、光行は事件当日に登庁せず、待合「梅乃井」に身を潜めていたことが問題視されました。この行動に対し、東京区検・地検の検事たちは検事総長弾劾に動き出し、約50人の少壮検事が光行の辞職を求める連判状を取りまとめました。この騒動の影響を受け、光行は同年12月に検事総長を退任しました。

その後、1939年には貴族院議員に選出され、政界での活動を続けましたが、1945年にこの世を去りました。

家族

光行の父親は佐賀県士族の光行壽七です。長男の光行寿は、昭和23年に学陽書房を創業しました。光行寿の妻・宮子は、証券会社「望月乙彦商店」の創業者であり、東京株式取引所一般取引員組合委員長、日本精工会長や高砂ゴム工業（後のニッピ）会長などを務めた望月乙彦の長女です。また、光行の長女フサの夫は泊武治、二女峰の夫は早稲田大学教授の田崎友吉です。田崎友吉は、日本のゴム製造の先駆けである三田土ゴムの共同創業者である田崎忠篤（松前藩家老の子）の長男であり、『ゴムの科学』などの著書があります。

参考資料

「職員録」（内閣官報局　1904）
「明治の名法曹物語」（日本評論社　1974）
* 「幻の関東軍解体計画」（祥伝社　1989）

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