法性寺 (京都市東山区)

法性寺について

法性寺（ほっしょうじ）は、京都市東山区本町にある浄土宗西山禅林寺派の寺院であり、特に尼寺として知られています。この寺は大悲山という山号を持ち、本尊には千手観音が祀られています。また、洛陽三十三所観音霊場の第21番札所としても位置づけられています。

歴史

法性寺は、延長2年（924年）に藤原忠平によって創建されたと伝えられています。その後、藤原氏によって大いに栄え、特に藤原忠通の時代には、現在の東福寺や泉涌寺の境内西部までが法性寺の敷地とされるほど広大な寺域を有していました。この時期、法性寺は京洛21カ寺の一つとして数えられ、大伽藍を有していました。

しかし、その後の歴史的出来事によって衰退の道を辿ります。特に、兵火により寺院は大きな被害を受け、延応元年（1239年）には九条道家によって新たに東福寺が建立されました。さらに、泉涌寺も規模を拡大したことで、法性寺の境内は縮小を余儀なくされました。応仁の乱においても被害を受け、最終的には寺の衰退が進みました。

現在の法性寺は明治維新以降に再興されたもので、かつての名を継いでいます。その本尊である千手観世音菩薩像は国宝として指定されており、厄除観世音とも称されています。さらに、東福寺の塔頭である同聚院には木造不動明王坐像が安置されており、これは寛弘3年（1006年）に藤原道長によって建立された法性寺五大堂の中尊とされている重要文化財です。この像は、定朝の父康尚によって作られたとも言われています。

境内の主要な施設

法性寺の境内にはいくつかの重要な建物や文化財があります。主なものには以下のようなものがあります：

• - 本堂：本尊が祀られている中心的な建物。
• - 庫裏：僧侶が生活するための施設で、寺院の重要な役割を果たします。
• - 五重石塔：歴史的な価値を持つ石塔。
• - 稲荷社：信仰の対象となる神社改修されていない部分があります。
• - 山門：この寺院を訪れる人々を迎える入口です。

文化財

法性寺は多くの文化財を保有しており、中でも国宝に指定されている木造千手観音立像は特に珍しい様式を有しています。この像は、正面・左右に顔を持ち、さらに頭上には25の顔があるため、合計で28面の顔を持つ独特な形状をしています。この千手観音は、かつて藤原忠通の病を回復させたことから「厄除観世音」と名付けられました。

拝観について

法性寺を拝観する場合、内部へのアクセスには事前申請が必要です。訪れる際はその点に注意が必要です。法性寺の歴史や文化財について深く理解しながら、静謐な空間を楽しむことができるでしょう。

法性寺は、その長い歴史と豊かな文化的遺産を背景に、多くの人々に親しまれ続けています。

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