法政大学弁論部

法政大学弁論部

法政大学弁論部は、1885年に設立された法政大学の弁論部であり、日本の大学弁論部の中でも特に長い歴史を持つ団体の一つです。創部以来、政界や経済界など、多方面で活躍する人材を数多く輩出してきました。法政大学公認のサークルとして、弁論、3分間スピーチ、研究会などを主な活動内容とし、学生の弁論能力の向上を図っています。また、議員会館への訪問も行い、政治の世界に対する理解を深める活動も積極的に行っています。

概要

法政大学弁論部は、学生が弁論を通して自己表現能力を高め、社会で活躍するための基礎を築くことを目的としています。弁論の技術だけでなく、論理的思考力や情報収集能力も養うことができます。年に一度、主催する「春秋杯争奪全日本学生雄弁大会」は、全国の大学弁論部が参加する大規模な大会で、学生弁論の発展に大きく貢献しています。

歴史

法政大学弁論部の歴史は、明治18年9月に東京法学社内に設置された中央法学会にまで遡ります。創設の中心となったのは、法政大学の創立者の一人である薩埵正邦です。当時は、太政官制度から内閣制度への移行期であり、社会における政治的関心の高まりを背景に、法律を学ぶための討論会は大きな盛り上がりを見せました。発足からわずか2ヶ月の間に約1000名もの入会希望者が集まったことからも、当時の社会における弁論への関心の高さが伺えます。

明治21年3月には、「五大法律学校連合討論会」の第一回目が開催され、法学会もその一角として参加しました。この討論会への参加は、法学会が弁論団体としての地位を確立する上で重要な出来事となりました。その後、専門学校令による学校名の改称を経て、明治38年11月には法政大学として初めて雄弁会が執り行われました。

時を経て、法政大学弁論部は数々の著名な人物を輩出してきました。第57代衆議院議長を務めた中村梅吉や、最高裁判所判事に就任した遠藤光男は、弁論部の卒業生として特に知られています。他にも、政界、法曹界、経済界など、各分野で活躍するOB・OGが多数存在します。

主な出身者

元国会議員

中村梅吉 (第57代衆議院議長、元国務大臣)
倉石忠雄 (第22代自由民主党総務会長、元国務大臣)
伊藤公介 (元国務大臣)
佐瀬昌三 (衆議院議員、法政大学法学部教授)

現役国会議員

上田清司 (参議院議員、元埼玉県知事)

地方自治体首長及び地方議会議員

遠崎義夫 (元茨城県伊奈町町長)
松本和夫 (元佐賀県北方町町長)
真鍋欣之 (東京都世田谷区議会議員)
稲岡慶郎 (元東京都中野区議会議員)
小林たけし (神奈川県議会議員)
浅野目義英 (埼玉県議会議員)
北野正徳 (長崎県佐世保市議会議員)

その他

遠藤光男 (元最高裁判所判事)
大島雄次 (明治安田生命名誉顧問、元同社社長)
大木正浩 (JA徳島県共済連本部長)
小野恒夫 (法政大学校友会代表)
永田伸吾 (金沢大学客員研究員、戦略研究学会大会委員会副委員長)
島田昭仁 (都市工学者)
柳啓明 (政治経済研究所理事、事務局長)
石村幸一郎 (元栃木観光開発株式会社社長)
山谷次夫 (株式会社ティアーズ会長)
酒井広 (元NHKアナウンサー)
吉田渉 (NHK熊本放送局記者)
三鬼陽之介 (経済評論家)

脚注

法政大学弁論部 - 公式サイト
法政大学弁論部 - Facebook


法政大学弁論部は、長年の歴史の中で培われた伝統と、常に新しい時代に対応していく革新性を兼ね備えた団体です。今後も、多くの学生が弁論を通して成長し、社会で活躍していくことが期待されます。

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