法華津本城

法華津本城（ほけづほんじょう）

法華津本城は、現在の愛媛県宇和島市に位置する山城であり、宇和島市の指定史跡となっています。法花津湾に面した標高43.5メートルの丘陵に築かれ、その立地は戦略的に非常に重要な場所でした。

概要

本城は、三方が切り立った崖になっており、自然の地形を活かした堅固な防御構造を持っていました。城の途中には、3段の石垣が築かれており、敵の侵入を阻む役割を果たしていました。法華津氏（清家氏）が犬尾城から本拠を移して以来、法華津氏の本城として機能しました。また、本城を取り囲むように、新城、鍋蔵城、今城、高森城、福之森城、吉岡山城といった六つの砦が存在し、これらを合わせて法華津七城と呼んでいました。これらの城郭群は、一体となって広範囲な防衛網を形成していました。

法華津氏は、この地を領地として高四千四十余石を領していました。

歴史

法華津本城は、南北朝時代に築かれたという説があり、伊予西園寺氏を守るための重要な拠点であったと考えられています。築城年代については、今治市大三島町宮浦東円坊の『東円坊大般若経奥書』に、応永28年（1421年）に「法華津在城」という記述が見られることから、15世紀初頭には既に存在していたと考えられています。

戦国時代に入ると、天文年間（1532年-1555年）から永禄年間（1558年-1570年）にかけて、大友氏の水軍による侵攻を受けました。この際、法華津前延らは宇和海の水軍を率いてこれを迎え撃ち、領地を守り抜きました。また、土佐一条氏を支援し、長宗我部氏と対峙した時期もありました。天正13年（1585年）には、四国の役が勃発し、前延は小早川隆景に降伏し、その指揮下で九州征伐に従軍しました。その後、前延は筑紫国に移り住んだと伝えられています。

城跡

1974年（昭和49年）3月1日に、当時の吉田町によって指定史跡となりました。現在は宇和島市の指定史跡として保護されています。城跡からは、当時の石垣や土塁などの遺構を見ることができ、往時の姿を偲ぶことができます。

参考文献

• - 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典（38.愛媛県）』、角川書店、1991年
• - 日本歴史地名大系 (オンライン版)

関連項目

• - 日本の城一覧

外部リンク

• - 「市指定 法華津本城跡」宇和島市公式HP

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