法華津前延

法華津前延：戦国時代の伊予を駆け抜けた武将

法華津前延（ほけづ さきのぶ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて伊予国で活躍した武将です。法華津本城を拠点とし、西園寺十五将の一人としてその名を歴史に刻みました。

清原氏の流れを汲む法華津氏

法華津氏は、清原氏を本姓とし、法華津殿清原氏、あるいは清家氏とも称しました。代々、伊予の西園寺氏に仕え、その家臣として数々の戦で武功を挙げました。

大友・長宗我部氏との激戦

前延は、伊予への侵攻を繰り返す大友氏や長宗我部氏に対し、勇敢に戦いました。永禄3年（1560年）と同13年/元亀元年（1570年）の大友氏の侵攻では、水軍を率いて見事な采配を披露し、敵を退けることに成功しました。

天正3年（1575年）には、豊後国臼杵に追放されていた一条兼定が土佐国での再興を目指して伊予に上陸。前延は、西園寺公広や津島氏らと共に兼定を支援しました。

土居清良との連携、そして長宗我部氏への傾倒

天正7年（1579年）、長宗我部氏の家臣・久武親信が侵攻してくると、前延は土居清良と協力して親信を討ち取るという殊勲を立てました。しかし、天正12年（1584年）に長宗我部軍が再び侵攻してくると、彼は突如として西園寺氏を裏切り、長宗我部氏に味方するという行動に出ます。これは、長宗我部氏の勢いに恐れをなし、保身を図った結果であるとされています。

四国攻めと法華津氏の没落

天正13年（1585年）、羽柴秀吉による四国攻めが始まると、長宗我部氏は伊予から撤退。河野氏や西園寺氏などは秀吉に降伏しました。その後、伊予に入国した小早川隆景は、前延に対し法華津本城での在城を許し、九州平定にも隆景配下として従軍させました。しかし、天正16年（1588年）に戸田勝隆が伊予宇和郡に入部すると、前延は下城を命じられ、法華津氏は没落。前延は九州へと去ったと伝えられています。

子孫について

近年では、2012年のロンドンオリンピックをはじめ、数々の国際大会に出場した馬術選手の法華津寛が前延の子孫であるとされています（寛の祖父は愛媛県から上京）。

法華津前延は、戦国の turbulent な時代を生き抜き、その行動は時に裏切りとも評されましたが、伊予の歴史に深く名を刻んだ武将であると言えるでしょう。

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