波 (1952年の映画)

映画『波』の概要

映画『波』は、1952年に中村登監督によって制作された日本映画です。この作品は、かつて朝日新聞に連載されていた山本有三の同名小説を原作としており、当時の日本社会や人間関係を深く掘り下げています。また、第5回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門において上映されたことでも知られています。

あらすじ

物語は、主人公である見並行介の複雑な人生を描いています。行介はかつての教え子である芸者・きぬ子と結婚しますが、彼女は直ぐに別の男性に心を惹かれてしまい、彼の元を離れます。しかし、行介は必死に彼女を取り戻そうと奮闘し、なんとかきぬ子を家に帰すことに成功します。しかし、その後、きぬ子は男の子、駿を産むことになりますが、その出産が原因で命を落としてしまいます。行介は悲しむ暇もなく、子どもを育てるために、野々宮昂子にお願いをするという運命的な展開を迎えます。

主要キャスト

この映画には、多くの才能ある俳優陣が揃っています。以下は、主要なキャストとその役名です。

• - 佐分利信 - 見並行介
• - 淡島千景 - 野々宮昂子
• - 設楽幸嗣 - 駿（五歳）
• - 村瀬禪 - 駿（十歳）
• - 石浜朗 - 駿（十七歳）
• - 岩井半四郎 - 瀬沼涼太郎
• - 桂木洋子 - きぬ子
• - 笠智衆 - 友人園田
• - 坂本武 - 君塚宇平
• - 津島恵子 - 襲子
• - 北龍二 - 大垣準蔵
• - 十朱久雄 - 校長

スタッフ

映画のスタッフ陣も非常に豪華で、以下のような才能が集結しています。

• - 監督: 中村登
• - 脚色: 大木直太郎、中村登
• - 原作: 山本有三の小説『波』
• - 製作: 高村潔
• - 撮影: 生方敏夫
• - 美術: 熊谷正雄
• - 音楽: 吉沢博、奥村一

受賞歴

『波』はその高い評価から、1952年に第7回毎日映画コンクールにおいて、俳優部門の男優主演賞を受賞した佐分利信にとっても特別な作品となりました。彼はこの映画だけでなく、『お茶漬の味』や『慟哭』など他の作品でも優れた演技を見せ、名作の共演を果たしました。

まとめ

日本映画『波』は、深い人間ドラマと感情の揺れ動きを描いた作品です。原作小説の持つ重みを忠実に再現し、当時の社会や文化を映し出しています。上映当時の評価に加え、現在でも多くの映画ファンに愛され続けている名作です。映画が持つ力や感動を、ぜひ多くの人に体験してもらいたい作品と言えるでしょう。

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