波多野善大

波多野善大

波多野善大（はたの よしひろ、1908年4月22日 - 1998年5月11日）は、日本の著名な東洋史学者であり、特に中国近代史研究において多大な業績を残しました。

生涯

波多野善大は1908年、三重県鈴鹿郡関町（現在の亀山市）に生まれました。京都帝国大学（現・京都大学）文学部東洋史学科を卒業後、研究者としての道を歩み始めます。1962年には、「中国近代工業史の研究」で京都大学から文学博士号を取得しました。

1944年から1946年にかけては東方文化学院で研究員を務めました。その後、名古屋大学文学部に助教授として着任し、後に教授に昇進。長年にわたり教鞭を執り、多くの学生を育成しました。1972年に名古屋大学を定年退官し、名誉教授となりました。退官後は、愛知学院大学教授として教壇に立ち、1980年に退任しました。

研究内容

波多野善大の研究は、中国近代史、特に工業史、軍閥、国共合作といったテーマに集中しています。

中国近代工業史: 博士論文でもある『中国近代工業史の研究』は、中国における近代工業の成立と発展の過程を詳細に分析したもので、この分野における先駆的な研究として高く評価されています。
中国近代軍閥: 『中国近代軍閥の研究』では、袁世凱の死後、各地に割拠した軍閥の実態を解明し、彼らが中国社会に与えた影響を考察しました。
国共合作: 『国共合作』は、中国国民党と中国共産党が協力し、北伐を推進した時期に焦点を当て、その成立過程と崩壊の要因を分析しました。この研究は中国語にも翻訳され、中国本土でも広く読まれています。

著書

『中国近代工業史の研究』東洋史研究会 (京都大学文学部内) (東洋史研究叢刊）1961
『中国近代軍閥の研究』河出書房新社 1973
『国共合作』1973 中公新書
中国語版『国共合作』（中共广东省委党史研究委员会办公室、1982年）
『近代中国の人物群像 パーソナリティー研究』清水稔,坂野良吉共編 汲古書院 1999
『中国文明の歴史 東アジアの開国』責任編集 2000 中公文庫

論文

多数の論文を発表。

波多野善大は、その生涯を通じて中国近代史研究に情熱を注ぎ、数多くの優れた研究成果を残しました。彼の研究は、今日の中国研究においても重要な ভিত্তিとなっています。

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